訪問看護ステーションや高齢者ケア施設の管理者が抱える課題を浮き彫りにし、どうしたら職員が辞めない組織づくりができるのかについて指南します。
ターミナルケアにおける
職員の精神的負担を減らす施策
横山 郁子
よこやま いくこ
株式会社パーソナル・ナース 代表取締役/訪問看護塾 塾長
神奈川県訪問看護ステーション協議会 会長
ターミナルケアでの不安要素とは
在宅でのターミナルケアにおいて、看護師は人生の最後の時間を過ごす利用者・家族を支え導く役割を担っています。余命宣告を受けた利用者・家族は多大なストレスを抱えているため、医療関係者を過度に頼ったり、感情的に取り乱すことがあります。そのような業務を担う職員は知らず知らずのうちにストレスを抱えがちです。
医師どころか同僚の看護師も同席していない状況で命に直結するような判断を行わなければならないため、その判断に不安を覚えることはよくあります。また、利用者への迅速な対処や家族とのコミュニケーションでも不安は生じるでしょう。利用者・家族への対応や協働する他職種との連携の仕方なども利用者によって変わるため、たとえ看取り経験が豊富な看護師であっても、慣れることは難しいと考えます。
→続きは本誌で(コミュニティケア2023年11月号)