本書に掲載されている被災地の写真は、当サイトでの公募に応募された小齋誠進(こさいせいしん)さんの作品です(一部、編集部による取材写真も含まれています)。
小齋さんは関東出身で、2005年に名取市閑上(ゆりあげ)地区出身の奥様と結婚されました。神奈川県で単身赴任さている小齋さんは、月に2回ほどご自宅のある閑上でご家族と過ごす生活をされていたそうです。
2011年3月11日は、ちょうど閑上へ帰る日でした。名取駅からバスで自宅に向かう途中、小齋さんは地震に遭遇されました。
あれほどの揺れにもかかわらず、ご自宅はびくともしていなかったそうで、ひとまず安心して様子を確認するため自転車で街をまわっていたところ、小齋さんは沖合いに「ありえないほどの大波」を目撃しました。
川がものすごい勢いで逆流し、土煙が迫り、家がバキバキッと壊れる音を背にしながら必死で逃げ、小学校の3階までようやく駆け上がるやいなや、校庭に車や家やあらゆるものと一緒に水が「ドーッ」と入ってきたそうです。
まさに危機一髪のところでした。
翌日、ご自宅に戻ると家は津波で流され、基礎の部分しか残っていなかったそうです。幸いにもご家族は全員無事でした(本当によかったです…)。
小齋さんは津波前後の街や、避難所となった小学校で過ごした夜、その後の閑上の様子などを撮影したたくさんの写真を編集部に送ってくださいました。
本書では、ほんの数枚しか掲載できませんでしたが、小齋さんはそれらを写真集『その時、閑上は』として、ご自身でまとめられておられます。詳しくは小齋さんのブログ「イーゴンの徒然」をぜひご覧ください。
◯ 内容紹介(記事抜粋)
その3(準備中)