【SPECIAL BOOK GUIDE】看護と経営 看護師長・看護部長にいま必要な経営の視点

 


本誌『看護』にて2026年2月号まで連載していた好評企画「看護と経営」が、このたび待望の書籍化です!

 

患者主体のケアと経営を

両立するために

 

少子高齢化や人材不足などにより、医療機関の経営環境が大きく変化する中、看護管理者には「患者主体のケア」と「組織の持続可能性」の両立が求められています。早期退院の推進や病床稼働の最適化など、経営的な視点に基づく判断が日常的に必要となる一方で、看護の本質である「患者に寄り添う視点」を失うことはできません。

 

看護の視点から経営を学ぶ

 

そこで本書では、看護と経営の視点を結びつける実践的なヒントを提供します。経営指標の基礎知識とその活用法を理解するとともに、看護管理者が日々直面する課題を読み解きながら、よりよいケアと組織運営を実現するためのマネジメントを身につけられる一冊です。「平均在院日数の短縮」「コスト管理」「DPC制度」「地域の医療機関や施設との連携」などのテーマを取り上げつつ、選ばれる病院になるための考え方をわかりやすく解説します。

 

医療制度の理解を深める

関連書籍

 

一方、組織運営においては、制度の変化への対応がますます重要となっています。診療報酬改定年の今年、本書の関連書籍『診療報酬・介護報酬のしくみと考え方』のご活用もおすすめします。同書では医療機関の運営の全体像を見渡しながら、診療報酬・介護報酬制度の基礎知識や考え方を解説しており、本書と併せてお読みいただくと、制度の理解を深めるとともに、現場での実践力を高めることができるでしょう。

※看護管理実践Guide」シリーズ(次頁)も併せてご活用ください。

 

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【SPECIAL BOOK GUIDE】臨床判断能力を育む思考発話

 

 

自身の考えを言葉にして 共有する「思考発話」

 

申し送りやカンファレンス、後輩への支援などの場において、看護師は自身の考えを言葉にし、他者と共有しています。本書は、看護師の臨床判断を言語化し共有する営みである「思考発話」を学習方略としてとらえ、理論・実践・事例の3章構成で体系的に学べる一冊です。

 

「思考発話」を理論・実践・事例で学ぶ

 

1章では理論の解説やQ&Aで基礎を押さえます。臨床判断についての解説や思考発話の定義、学習が起こるメカニズム、発話する人の立場による効き目の違い、学習を促すコツなどを提示します。思考発話を自然にやりとりするために欠かせない「発問」についても紹介します。Q&Aでは「答えを教えちゃってもいいの?」「思考発話した内容が定着していない…」などの質問にお答えします。

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わたしの推し本(5)


第 5 回『家康、江戸を建てる』

 

著者:門井 慶喜 価格(文庫本):946円(税込) 発行:祥伝社

 


今月の推し人

 

田中 いずみ

手稲渓仁会病院 副院長・看護部長
認定看護管理者


私は、いわゆる「歴女」です。小学生のころから歴史が好きで、NHK大河ドラマも長く楽しんできました。近年放送された大河ドラマ「どうする家康」では、これまで持っていた徳川家康のイメージが大きく変わりました。家康と言えば、泰然自若と構えている人物という印象を抱いていました。しかし、本作で描かれていたのは、「どうする?」と迷いながらも、家臣や家族とともに悩み、決断を重ねていく一人のリーダーの姿でした。その姿に強く共感し、「どうする家康」ならぬ「どうするいずみ」と、自分自身を重ねてしまいました。そうした背景もあり、今回は家康に関連する『家康、江戸を建てる』を紹介したいと思います。

 

成果はその先の世代に表れる

本書は、武将としての家康の活躍を描いた物語ではなく、湿地と荒野だった江戸の地を、都市として築き上げていく過程が丁寧に描かれています。中でも心に残ったのが、治水をめぐる描写です。そこに描かれているのは、一代で成し遂げられる成果ではありません。父が始め、子が引き継ぎ、孫の代になってようやく形になっていく―親子三代にわたる、気の遠くなるような取り組みです。治水は、すぐに結果が見える仕事ではありません。その成果を実感するのは、多くの場合、自分自身ではなく、次の世代、さらにその先の人々です。それでもなお、未来を思い描きながら手を打ち続けた。その積み重ねがあったからこそ、江戸は幕末には、世界でも類を見ない最大級の人口を擁する都市へと成熟していったのだと思います。

 

歩み続けるリーダーが組織を育てる

この物語が伝えているのは、組織や社会は一人の力では決してつくれない、ということです。家康は細かく指示を出すのではなく、一人ひとりの知恵や専門性を尊重し、適材適所に人を生かしながら、任せて待ちます。そして、失敗やつまずきを幾度となく経験しながらも、すぐに結論を求めず、粘り強く取り組み続けます。

 

私自身、看護部長となって10年以上が経ちました。さまざまな取り組みを進めてきましたが、すべてが思い描いたとおりに成果として表れているわけではありません。一方で、時間をかけて向き合ってきたからこそ、ようやく到達できたと感じるものもあります。その一つが身体拘束への取り組みです。当院では10年以上前から身体拘束の最小化に取り組んできました。試みては立ち止まり、考え直す。その繰り返しの中で、組織としてめざすビジョンや大切にしたい価値を共有し、一人ひとりが自ら考え、行動できる環境を整えることの重要性を実感しています。リーダーは揺らぎながらも、あきらめずに歩み続ける。そのプロセスこそが組織を育てていくのだと、『家康、江戸を建てる』は静かに教えてくれます。

 

たなか・いずみ◉臨床経験を積んだ後、看護管理に携わる。地域と協奏し、変化に柔軟に対応できる組織づくりを重視。自ら考え行動できる管理者と、前向きに挑戦する看護師の育成に取り組む。

 

 

→看護2026年7月号掲載

 


【SPECIAL BOOK GUIDE】リスクマネジメントの視点で見直す! 看護記録と、インシデントレポート・医療事故報告書の書き方

 

 

看護記録を問い直す

 

「看護記録」は、患者を主体とする日々の看護実践を証明し、その継続性・一貫性を担保するとともに、実践内容の評価と質向上を目的としています。一方、インシデントや事故が起きた際には、「そのとき何が起きたのか」という事実を伝えるという意味で重要な役割を果たします。

 

本書1章では「看護記録」の意味を確認し、2章・3章でリスクマネジメントの視点を踏まえた書き方・見直し方のポイントを整理します。

 

インシデントレポートと医療事故報告書の

作成プロセスが見える

 

インシデントはすべての看護職が当事者になり得ますが、「インシデントレポート」の書き方にはばらつきがあるようです。

 

4章では「インシデントレポート」と「医療事故報告書」の目的や様式、「病院等において把握すべき重大事象」等について解説した上で、「インシデントレポート」の書き方・見直し方のポイントを提示します。仕上げていくプロセスがよくわかるよう、記載例を多数挙げました。

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【Book Selection】新刊書籍のご紹介


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