だから面白い訪問看護管理(17)

大学教授から転身し「らふえる訪問看護ステーション」を開設。10年を経た今、訪問看護の未来を見すえて管理者としての思い・考えを語っていただきます。

 

 

新しい門出に……花はいつか咲く

 

林 啓子

株式会社らふえる 代表取締役
らふえる訪問看護ステーション 管理者
一般社団法人茨城県訪問看護事業協議会 会長

 

 

自分の未来予想図を思い描けていますか

 

春は、新人看護師が医療者として新たな人生のスタートを切る時期。まずは「おめでとう」と、エールを送ります。

 

新人看護師の皆さんの中には、らふえる訪問看護ステーションに実習に来た学生たちもいるかと思うと、感慨深い気持ちになります。ここ数年、実習生の皆さんには団塊の世代が後期高齢者となり、高齢化率が30%を超える2025年に自分自身がどのような分野、どのような立場で社会に貢献しているか、思い描きながら学んでほしいと話してきました。あっという間に時は過ぎ、今年の新人たちは看護師として、2025年問題の真っただ中に飛び込んでいくことになります。

 

彼らは私生活でも、これから家庭を持ち、子育てもしていかねばならない世代。まさに少子高齢化が招くさまざまな問題を我が事として背負い、働かねばならない世代です。これから、波乱万丈の人生が待っているかもしれませんが、看護師という仕事を選んだからには「看護師としての生きがい」を見いだしてほしいと思います。人の命に向き合う仕事なので、つらいこともたくさんありますが、心折れずに乗り越えてほしいと願っています。その原動力となるのは、5年後10年後の「なりたい自分」が思い描けること、そして「○○は私に任せて!」と言えるようになることです。

 

得意分野に出会うきっかけは、意外と新人時代にあるように思います。実は、すでに看護実習の段階で出会っているかもしれません。かく言う私は実習で腎臓病患者に出会い、就職後最初に配属された病棟で糖尿病患者の療養指導に興味を持ちました。これらの実践や研究を続け、腎臓病分野で修士号、糖尿病分野で博士号も取得し、「生活習慣病の療養指導」が私の得意分野になりました。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2024年5月号)