大学教授から転身し「らふえる訪問看護ステーション」を開設。10年を経た今、訪問看護の未来を見すえて管理者としての思い・考えを語っていただきます。
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自由な発想でステーションを経営
林 啓子
株式会社らふえる 代表取締役
らふえる訪問看護ステーション 管理者
一般社団法人茨城県訪問看護事業協議会 会長
そもそも「寄り添う」とはどういうこと?
看護では「患者に寄り添う」という言葉をよく聞きます。具体的に「寄り添う」とはどういうことなのでしょう?
在宅療養で訪問看護を利用している患者や家族は、入院中の患者に比べ要求をはっきり伝えることが多いように感じられますが、その要求をすべて受け入れることが「寄り添う」ことなのでしょうか?
要求の中には、医療職としての考えに反することもあり、看護師が割り切れない気持ちを抱えながら訪問看護を実施していくと、ついにはそのような患者に「困難事例」のレッテルを貼ってしまうことになります。時には看護師が寄り添っていると思っていても、思わぬクレームが来ることもあります。一生懸命寄り添っていても、それが自己満足でしかなかったと思い知らされるのです。