2019年3月刊行の第1弾『認知症plus転倒予防』から始まった[認知症plus]シリーズが、
『認知症plus緩和ケア』で通算20冊になりました。“認知症”という単テーマでここまで続けられたのは読者の皆さまのおかげです。ここでは制作エピソードのご紹介とともに、20冊を並べて俯瞰してみました。ぜひ、1冊でも2冊でも3冊でも……お手に取ってみてください。
■[認知症plus]シリーズの立ち上げ
日本看護協会出版会の書籍というと、まず「看護管理」をテーマにしたものを思い浮かべる人が多いかもしれません。「看護管理」は当社の強みなのですが、“それだけではいけない、何か別の得意分野をつくれないだろうか”ということで、それまで単発で何冊かの書籍を刊行していた“認知症”に注目しました。そして、全社あげての大プロジェクトを立ち上げることになりました。
プロジェクトの活動開始は2018年1月。コアメンバーの編集部5人、営業部2人が、まずは各自で認知症に関する情報を集め、月1回のミーティングで意見交換をしました。また、社員全員に声をかけ、認知症を扱った映画・ドラマを見たり、全社で認知症サポーター養成講座を受講したりもしました。
■シリーズ名、ブックデザイン、ロゴが決まるまで
シリーズ名は社内公募で決定しました。実は最初は「みつめる、みつける認知症ケア」だったのですが、天の声(!)からダメ出しがあり、すったもんだの末「認知症plus」となりました。短くて覚えやすいので、結果的にはよかったと思います。
ブックデザインはプロのデザイナーの方々に声をかけてデザインコンペを行い、社員の投票で決定しました。明るい地色の上に、花や鳥、生活用具などをおおらかなタッチで描いたイラストを配置した表紙カバーは、見ているとなんだか優しい気持ちになるのではないでしょうか。
オレンジリングのロゴは東京デザイン学校の学生さんに公募し、優秀作品をもとにプロのデザイナーさんにリファインしていただきました。
■編集部書籍課が総出で取り組んだシリーズ
「認知症plus」は書籍課全員の持ち回り制になっています。1人必ず1冊以上企画を立て、制作を担当することをノルマとしました。
実は20冊目の編集担当者でコンプリートになりました。書籍課が全員で1つのシリーズを担当するのは初めてのこと。各自得意分野が異なるので、企画に個性がにじみ出ています。“認知症”という単テーマのしばりがあっても、これほど続けられたのは、全員で取り組んだ成果だと思います。
■ウェブサイト「認知症plus」WEB
本の「認知症plus」シリーズと連動して、「認知症plus」WEBを開設しました。認知症をもつ人とその家族の生活を支え、地域・社会をよりよくしていきたいと考えている医療・看護・介護専門職のためのウェブサイトです。ぜひアクセスしてみてください。