SPECIAL BOOK GUIDE 地域の暮らしを支える訪問看護。役立つ実践を多数紹介! 令和4年版 看護白書 訪問看護のさらなる推進 多機能化/人材育成・活用/サービスの質向上

看護界の〈押さえておきたい重要テーマ〉と〈最新の動き〉を集約して毎年、刊行している『看護白書』。令和4年版では、老人訪問看護制度創設から30年に際して「訪問看護のさらなる推進」をテーマに、「多機能化」「人材育成・活用」「看護サービスの質向上・業務効率化」等の先進的な事例を紹介します。

 

■時代の変遷の中で進化してきた訪問看護のさらなる推進

 

『看護白書』は毎年、看護界における最新・最重要のデータと情報を集約、日本看護協会の重点事業を踏まえて紹介しています。

 

『令和4年版 看護白書』は、1992年の老人訪問看護の制度化から30年の節目を迎え、市民の関心も高まっている「訪問看護のさらなる推進」を特集します。看護小規模多機能型居宅介護(看多機)の実践、専門性の高い訪問看護師の地域での活躍、訪問看護の質向上、高齢者以外にも対応するサービス展開を進めている先進事例などを取り上げました。

 

■先駆的・多角的なサービス展開

 

●1章 訪問看護のさらなる推進
まずは訪問看護提供体制の強化に向けた日本看護協会の方針、主な事業内容を紹介。住民が在宅療養生活を継続する上で必要な、安定的・継続的な訪問看護提供体制を構築するため、日本看護協会は訪問看護従事者の確保に向けた事業や看多機の普及推進等を進めています。

 

国の制度や政策の動き、訪問看護と医療機関や在宅医との連携の現状と課題も本章で解説します。

 

●2章 訪問看護総合支援センターの役割、

訪問看護ステーションの大規模化

訪問看護提供体制の安定化をはかる拠点として、都道府県看護協会による「訪問看護総合支援センター」の実践を取り上げます。

 

さらに、地域住民に安定した看護サービスを届けるための訪問看護ステーションの大規模化・拠点化による活動も本章でお伝えします。

 

●3章 看護小規模多機能型居宅介護の実践
訪問看護が核となった地域密着型サービスである看多機の実践を紹介します。「通い」「泊まり」「訪問看護」「訪問介護」のサービスを利用者に合わせて提供し、住み慣れた地域で最期まで自分らしく暮らすことを支える看多機は、近年では共生型サービス等との組み合わせなど、地域の多機能拠点としての役割も期待されています。

 

なお、本章では『平成29年版 看護白書—訪問看護の新たな展開』で報告いただいた事業所の一部から、“その後”の進化した現状も述べていただきました。併せてご覧ください。

 

●4章 人材育成・人材活用
訪問看護人材育成として教育機関・医療機関と連携した取り組みや、新卒訪問看護師育成などを紹介します。

 

在宅療養者のニーズの多様化・複雑化に伴い、在宅領域での専門性の高い看護師の活躍が期待されています。認定看護師や特定行為研修修了者による地域での実践も報告していただきました。

 

●5章 特色ある訪問看護の取り組み
時代や社会の変化に対応し、進化する訪問看護を取り上げます。スマートフォンのアプリや携帯型エコーなどを活用した業務効率化の事例は「看護業務の効率化 先進事例アワード」で表彰された先駆的な実践で、タイムリーな情報共有やケアの可視化にも役立つ内容です。

 

ほかにも、新型コロナウイルス感染症への対応をめぐる訪問看護師の活動、小児や精神科など地域住民の多様なニーズに応じて多角的なサービスを展開している事業所の報告も掲載しています。


訪問看護ステーションと病院等との連携のためにも、すべての看護職が知っておきたい取り組みです。ぜひご注目ください。

 

  厚生労働省「看護業務効率化先進事例収集・周知事業」

 

 

書誌情報

令和4年版看護白書
訪問看護のさらなる推進

多機能化/人材育成・活用/サービスの質向上

 

公益社団法人 日本看護協会 編

 

●定価3,960円
(本体3,600円+税)
●B5判/264ページ
ISBN 978-4-8180-2525-7
発行 日本看護協会出版会
(TEL:0436-23-3271)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈主な内容〉
●1章 訪問看護のさらなる推進

・訪問看護の推進に向けた日本看護協会の取り組み

―訪問看護師倍増策

・訪問看護の現状と今後の方向性         他

 

●2章 訪問看護総合支援センターの役割、

訪問看護ステーションの大規模化

・奈良県看護協会における訪問看護総合支援センターの

取り組み

・新潟県看護協会における訪問看護総合支援センターの

取り組み

・訪問看護ステーションの機能強化とネットワーク化
・自分らしく生きることを支援するために

―地域の中核病院としての役割

 

●3章 看護小規模多機能型居宅介護の実践

・街づくりにつながる地域看護をめざして
・訪問看護事業の展開から見えた地域の課題と実践

―地域に必要なものを創る

・看護小規模多機能型居宅介護と療養通所介護サービスで地域

を支える

・地域共生社会における訪問看護の多機能化

―看護小規模多機能型居宅介護と共生型サービス

 

●4章 人材育成・人材活用

・訪問看護ステーションの教育的役割

―大学、大学病院、ステーションの協働による訪問看護人材

の育成

・認定看護師の活躍と人材育成

―管理者として、職員として

・医療機関併設の強みを生かし地域で特定行為実践を推進する

・滋賀県における新卒訪問看護師育成支援

―大学と訪問看護ステーションの連携

 

●5章 特色ある訪問看護の取り組み

・エコーによるアセスメント導入の現状と課題
・医療過疎地域における訪問看護ステーションの一元管理
・ICTツールの活用による業務効率化
・在宅における新型コロナウイルス感染症対応

―自事業所・利用者・地域を支える

column  訪問看護の周辺業務の最適化に向けて

―Vehicle for Nursesを設立

・子どもたちの成長に応じたサービスを増やしていく
・医療と福祉を地域につなげる精神科訪問看護

 

●資料編

看護職の年次データ/看護政策関連の動向/日本看護協会の

主な取り組み

 

 

看護2022年9月号より

 

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