スペシャリストの実践知⑮

各分野のスペシャリストによる看護実践の過程から、困難事例への視点や日々の実践に役立つケア・コミュニケーションのポイント、スキルを学びます。

 

摂食嚥下

包括的視点での食支援により
重度嚥下障害のある人の食べる幸せを守る

 

今月のスペシャリスト:竹市 美加

 

 

日本人の平均寿命は男性81.64歳・女性87.74歳1)となり、超高齢社会が一段と進展しました。それに伴い、疾患だけでなく、加齢などのさまざまな影響により複雑な摂食嚥下障害を呈する人が多く見られるようになりました。また、DPC(診断群分類包括評価)の導入により入院期間が短縮したことで、摂食嚥下機能が十分に回復しない状態で食物形態も絶飲食やペースト食(嚥下調整食分類20132)コード2)のまま退院し、以降も適切な評価やケアを受けることなく在宅で療養生活を送る人が増えています。

 

 

筆者は2018年9月、地域において口から食べる幸せを支えるために「訪問看護ステーションたべる」を設立しました。当ステーションの利用者のうち約8割は、摂食嚥下訓練や栄養管理などを含めた食支援を必要とする人たちです。地域で食支援を行う上で、一番大きな壁となるのが誤嚥性肺炎のリスクです。在宅療養者の誤嚥性肺炎を予防し食べる希望をつなぐためには、摂食嚥下機能だけでなく、栄養・呼吸・口腔状態や活動性などさまざまな機能の維持・改善をはかるとともに、食事姿勢や食物形態などの食事環境を調整することが重要です。本稿では、重度嚥下障害と診断されて絶飲食で退院となったAさんの事例をとおして、安全においしく食べるための包括的な食支援について紹介します。

 

余命1年と宣告され、絶飲食で退院したAさん

 

事例:Aさん/70代男性/要介護4

脳出血・脳梗塞・誤嚥性肺炎

 

Aさんは妻と2人暮らし。右後頭葉に散在性に脳梗塞が認められたため入院した。保存療法を受けて退院したが、その3日後に誤嚥性肺炎を発症し再入院となった。

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2021年12月号)


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