アンガーマネジメント(4)

怒りの感情と上手に付き合う手法“アンガーマネジメント”を看護職が医療・介護現場で生かすための、基礎知識と看護実践への活用のポイントを解説します。

 

とっさの怒りに対処する
衝動のコントロール

 

アンガーマネジメントは怒りで後悔しないことをめざしています。そこで気をつけたいのが怒ったときにその感情に任せた発言や行動をしないことです。怒りがピークのときは冷静な判断ができず、言い過ぎたり、いき過ぎた対応をしたりしてしまいがちです。そのため6秒間は反応しないということを意識しましょう。これは、怒りの感情のピークは6秒と言われているからです(コミュニティケア2019年5月号本連載参照)。そのピークが過ぎると理性的に考えやすくなるので、6秒間、待つ工夫をして、怒りに任せた言動を避けるようにしましょう。「1、2、3、4……」とゆっくり数字を6まで数える方法が一番簡単ですが、そのほかにも深呼吸をするなど、6秒間待つ方法はいくつかあります。

 

そこで今回は、とっさの怒りに対処するための衝動のコントロールのテクニックを紹介します。

 

スケールテクニック(怒りの温度計)

 

これは5月号で触れましたが、怒りの強さに点数をつける方法です。怒りは目に見えないことから捉えにくく扱いにくいため点数をつけて客観視します。穏やかな状態を0、人生最大の怒りを10として、今、自分が感じている怒りが何点なのかを数値化してみましょう。点数化すると意外と低く、それほど怒ることでもなかったと思えるケースもあります。逆に点数が高い場合は、自分がどんなときに強い怒りを感じやすいのかの傾向を知ることができます。それまで認識していなかった怒りや押し込めていた気持ちに気づくこともあるでしょう。

 

この点数を考えているうちに6秒間を経過させることができ、また客観視によって冷静になれます。自分の怒りの傾向がわかるとレベル別の対策も立てやすくなります。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2019年7月号)