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薬機法等改正案を国会に提出

零売原則禁止、濫用リスク対策など盛り込む

 

「社会保険旬報」編集部

 

 

政府は2月12日、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)等改正法案」を閣議決定し、国会に提出。医薬品・医療機器の新たな規制の大枠を示しました。法案が成立すれば、早ければ2025年秋から段階的に施行される見込みです。改正法案は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会(福井次矢部会長)の1月10日の議論のとりまとめを受けたもので、主な改正事項として、①処方箋なしでの医療用医薬品の販売(いわゆる零売)の原則禁止、②濫用リスクがある医薬品の販売方法の厳格化、③都道府県知事が薬局機能を認定する制度に健康増進支援薬局を追加、④後発医薬品安定供給確保および革新的新薬実用化のための基金の創設などがあります。

 

●医療用医薬品は原則医師の処方で販売

 

医薬品は、副作用のリスクに応じて分類され(図表1)、医療用医薬品は医師の診断を経て処方箋に基づき使用されることが前提とされています。処方箋医薬品以外の医療用医薬品についても、原則として処方箋に基づく販売が求められていますが、通知により、やむを得ない場合に限り例外的に薬局での販売が認められています。一方で近年、「処方箋なしでの医療用医薬品の薬局販売」を主な営業目的とする、いわゆる「零売薬局」が登場し、販売規模を拡大しています。通知を根拠に指導が行われてきたものの、現行法では明確に禁止されていません。

 

改正法では、医療用医薬品の処方箋に基づく販売を基本とすることを明確化。リスクの低い医療用医薬品は、例外として「やむを得ない場合」に限り、薬局での販売を認めることとしています。「やむを得ない場合」は省令で定めることとしていますが、一般用医薬品で代用できない場合等が該当します。さらに販売に際しては、①販売量は最小限とし、原則、患者の状況を把握している薬局が対応し、②薬歴確認・販売状況の記録を義務づける考えです。

 

 

→続きは本誌で(看護2025年5月号)