押さえておきたいワンテーマ

医療、看護、介護、福祉に関連したテーマを各回1テーマずつ取り上げていきます。

 

「デートDV」は、あなたのまわりにもきっとあります

 

阿部 真紀

認定NPO法人エンパワメント

かながわ 理事長

 

 

 

上智大学文学部心理学科卒業。夫の転勤に伴い、1989年から香港と米国カリフォルニア州で2児を育てる。帰国後、1999年よりCAP(子どもへの暴力防止)スペシャリスト。2004年エンパワメントかながわを設立。デートDV予防プログラムの開発と普及に携わり、2011年にはデートDVに特化した電話相談「デートDV110番」を開設した。デートDVを予防することでDVや虐待の連鎖を断ち切ることをめざし、全国の団体や機関がつながることを呼びかけ、デートDV防止全国ネットワークを設立。著書に『暴力を受けていい人はひとりもいない CAPとデートDV予防ワークショップで出会った子どもたちが教えてくれたこと』(高文研)

 

認定NPO法人エンパワメントかながわ(以下:EK)は、暴力のない社会の実現をめざし、自分たちで独自の暴力防止プログラムを開発・提供していこうと考え、2004年に設立しました。その最初に開発したプログラムが「デートDV(ドメスティック・バイオレンス)予防プログラム」です。

 

「デートDV予防プログラム」でわかったこと

 

デートDVは「恋人間で起きる暴力」です。EKでは2016年、中学生・高校生・大学生2868人に「全国デートDV実態調査」を行いました。その結果、交際経験がある人の38.9%、約4割が「これまでに何らかのデートDVの被害を受けたことがある」と答えました。
デートDVは、10代のカップルの3組に1組で起きていると言われ、子どもたちにとってとても身近な問題です。同時に、エスカレートすると殺人事件にも発展する喫緊の社会課題でもあります。
EKでは、交際中に起きるデートDVを未然に防ぐプログラムを10代の子どもたちに届けることができれば、DVや虐待もなくしていくことができると考えました。

 

→続きは本誌で(看護2023年6月号)