NFocus

 

 

研修「患者の語りから看護を創造する」のねらいと評価

 

佐藤 幹代●さとう みきよ

自治医科大学看護学部成人看護学 准教授

森田 夏実もりた なつみ

桜楓カウンセリング研修会 代表/看護師

射場 典子いば のりこ

聖路加国際大学大学院看護学研究科 准教授

戸沢 智也とざわ ともや

獨協医科大学看護学部成人看護学(慢性期) 講師

 

筆者らは、認定NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン(後述)の理事または運営委員であり、研修「患者の語りから看護を創造する」を企画、実施してきました。本稿では本研修企画の経緯と、目的やねらい、受講者や研修担当者からの感想や評価を紹介した上で、今後の展望を示します。

続きを読む…


経営と看護(3)

 

●監修 福井 トシ子

国際医療福祉大学大学院副大学院長/教授

●企画協力

鳥海 和輝

『Gem Med』編集主幹

小野田 舞

一般社団法人看護系学会等社会保険連合 事務局長

 

診療報酬等に関連する用語の理解や管理指標の持つ意味、病院機能ごとの経営の考え方について解説するとともに、事例を通じて、看護管理者が病院経営に貢献するためのヒントを探ります。

*vol.1〜7(予定)は【解説編】、以降は【事例編】となります。

 

vol.3  解説編

経営層との共通認識をはかるための
経営指標の理解②

 

小野田 舞

おのだ・まい◉島根大学医学部看護学科・助教、東京医科大学医学部看護学科・講師を経て、2018年より現職。看護学博士。国際医療福祉大学大学院管理実践看護学(DNP)・非常勤講師。

 

 

本連載の第2回では、病院経営について看護管理者が押さえておくべきこととして、財務諸表に関する用語を中心に解説しました。第3回は、貸借対照表や損益計算書などを使って財務状況を分析する際に用いられる用語について解説します。

 

まず、病院経営が一般企業の経営と異なる点を理解しておきましょう。これにより、経営に関する指標の読み違いや、誤った認識を防ぐことができます。

続きを読む…


【Book Selection】新刊書籍のご紹介

続きを読む…


折々のはなし㉕

教育現場の立場から角田直枝さん、在宅現場の立場から大槻恭子さん、福祉現場の立場から鳥海房枝さんに、日々考えていること・
気になっていること・感じていることなどを述べていただく私的エッセイ。

 

 

角田 直枝

かくた なおえ

常磐大学大学院看護学研究科

 

病院・訪問看護ステーション勤務をはじめ、日本訪問看護振興財団の認定看護師教育課程訪問看護学科などで教育に携わる。2010年より茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター看護局長を12年間勤め、2022年3月に退職。同年4月より現職。がん看護専門看護師、特定行為研修修了者。

 


 

人生100年時代版発達課題

 

4月に入学した学生たちも、だんだんと落ち着いてきたこの時期。学部の1年生は最初の実習を終え、看護の扉を開いたばかりです。初めての実習では、自分のイメージよりも看護師という職業の活躍の場が幅広いことを学び、目がキラキラとしてきます。一方、4年生はつらそうな顔をした学生が増えてきます。その理由の1つが就職試験の変化によるものです。

 

 

看護学生の就職戦線に変化?

 

ここ数年、就職試験の様相がだいぶ変わってきました。変化の1つは、就職試験時期の前倒しです。最近では、3月1日から就職試験の申し込みが始まる病院も複数あります。本学では3年生の2月ぎりぎりまで実習があるので、試験の受付が早い病院を選ぶ学生は、実習が終わるや否や、3年生のうちからエントリーシートの作成に取りかからなければなりません。4年生の6月には、3人に1人くらいの学生が、すでに内定をもらっています。

 

続きを読む…


行動変容をそっと促す ナッジを使ったアプローチ㉕

ナッジとは、人の心理特性に沿って望ましい行動へと促す設計のこと。ゲストスピーカー・医療職のタマゴたちとともに、看護・介護に役立つヒントを示します。

 

 

 

ナッジで睡眠時間の確保は難しい?

 

竹林 正樹

たけばやし まさき

青森大学 客員教授/行動経済学研究者

 

石田 陽子先生

いしだ ようこ

株式会社心陽CEO
本郷睡眠センター心陽クリニック院長

 

●●●

 

医療職のタマゴたちが交代でナッジを学びます。

金田 侑大さん

城戸 初音さん

難波 美羅さん

 

 

なかなか手放せない夜のスマホ

 

竹林 前回に引き続き、心陽クリニック(東京都文京区)で睡眠外来をしている石田陽子先生にお越しいただきました。

石田 よろしくお願いします。

金田 こちらこそ、お願いします! まずお聞きしたいのは、睡眠時間の確保に役立つようなナッジはあるのでしょうか?
石田 生活習慣へのナッジに関する系統的レビューでは、睡眠に関するナッジの研究は極端に少ない1)と報告されています。つまり、世界中の研究者の間でも「睡眠とナッジ」については苦戦していることが推察されます。ですが、課題を細分化していけばその切り口は見えてきます。
金田 それなら……、「なんとなく夜更かししてしまう人たち」ではどうでしょうか。

続きを読む…