地震や水害などの自然災害が「自身にも降りかかるかもしれない」という漠然とした不安は、近年高い頻度で発生している大規模災を目の当たりにして、ますます現実味を帯びて実感されるようになっているのではないでしょうか。被災地で当事者として、専門職としてどのように判断し行動すべきなのか、ここにご紹介する書籍のように、さまざまな看護職による過去の体験・実践の多面的な記録がその時には大きな力となるはずです。
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編著:柳田邦男・酒井明子
●A5/296ページ
●定価(本体2400円+税)
2018年発行
ISBN 978-4-8180-2123-5
被災者の「再生する力」を
引き出す支援
阪神・淡路大震災での被災を契機に、命の限り被災地支援を続けた黒田裕子さん(下記書籍著者)。「人間」と「暮らし」と「地域」の一体化を重要視し、多職種をつなぎ、避難所や仮設住宅における24時間体制の見守りを続けたその活動に、多くの被災者が自立に向けて勇気づけられ生きがいを見出してきました。人々の再生する力を引き出す支援の本質に迫ります。
著者:黒田裕子・神崎初美
●A5/148ページ
●定価(本体1800円+税)
2012年発行
ISBN 978-4-8180-1680-4
著者は経営学や人的資源開発の研究をとおして「人と組織の抱える問題は、業種・業態を超えて7割は同じ」と指摘します。組織の一員として働くためには、どのような職種であっても、まずは一人前の社会人としての「人間関係構築力」が必要です。本書は医療や介護の職場での「こんな場面ある!」という人間関係がうまくいっていない事例を取り上げ、快適なコミュニケーションのためのルールを提案します。楽しみながら仕事に取り入れられるポイントが満載です。
編集:日本看護協会出版会編集部
●A5/704ページ
●定価(本体2400円+税)
2011年発行
ISBN 978-4-8180-1611-8
地震・津波・原発事故による未曾有の大災害における看護活動のレポート集。自らも被災し悲しみを抱えながら必死に医療活動を続けた人、被災地のために何かしたいと情報もない中で現地に入り、不眠不休で支援を行った人、被災地の患者・住民を受け入れた施設など、さまざまな立場の看護職183人による活動報告です。
『「要配慮者」を見逃さない
訪問看護師ができる
「災害時の支援」』
コミュニティケア
2017年11月臨時増刊号
●A4変/156ページ
●定価(本体1600円+税)
2017年発行
ISBN 978-4-8180-2013-9
災害時に「要配慮者」となる可能性が高い訪問看護の利用者。避難所などの被災現場で支援の不足による災害関連死を起こさないために、「地域」を知る訪問看護師は行政や災害ボランティア団体等と積極的に連携する必要があります。災害発生時、訪問看護師は「まず何をすればよいのか」に焦点を当てて解説します。