「渡辺式家族アセスメント/支援モデル」をベースとした人間関係「見える化」シートによる分析やアプローチ方法、カンファレンスの進め方について解説します。
描いていたストーリーからの脱却
リフレーミングということ
渡辺 裕子
はじめに
本連載では、「人間関係『見える化』シート」をご紹介するに当たり、まずはそのシートの根底にある概念についてご紹介しています。
今回は、前回ご紹介した事例を基に、「リフレーミング」(枠組みの転換)、「ストーリーとしての理解」について考えてみたいと思います。
前号で紹介した事例の概要
駆け出しの保健師だった筆者に、町の要職にあるBさんから「曽祖父の婚外子の配偶者である高齢のAさんが、自宅に引きこもって困っている」と相談があった。なんとかAさんに会いたいと訪問を重ねるが、扉は開かず、手詰まりな状態となる。そんなときに、課内の職員が「見も知らねぇ人が押しかけて来るんじゃ、おっかなくて、自分の身を守るしかねえべなぁ」と漏らした。この一言から、事態が展開し始めた。