スペシャリストの実践知㉑

各分野のスペシャリストによる看護実践の過程から、困難事例への視点や日々の実践に役立つケア・コミュニケーションのポイント、スキルを学びます。

 

糖尿病

家族介護者の悩みに寄り添い
適切なサービスを提供する

今月のスペシャリスト:関屋 博子

 

 

 

千葉県にある新松戸中央総合病院を母体とする「医療法人財団明理会新松戸ロイヤル訪問看護ステーション」は現在、約80人の利用者がいます。そのうち糖尿病を持つ人の多くは、認知症を併発しています。このため、認知機能の低下により糖尿病療法の自己管理が困難となり、低血糖を起こすとさらに認知症の周辺症状が増強するという悪循環に陥ります。これにより、在宅療養の継続が難しくなることが少なくありません。

 

本稿では、認知症のある糖尿病療養者と家族への支援について報告します。

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【Book Selection】新人看護師とその入職に備える人におすすめ

当社おすすめ書籍を、新刊・既刊・古典織り交ぜてご紹介!!

 

 

 

 

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SPECIAL BOOK GUIDE Nursing Todayブックレット14 『#生理の貧困』 関連企画 「生理の貧困」に関するアンケート結果

昨年来「生理の貧困」という言葉を耳にすることが増えてきました。言葉の印象から経済的な問題と思われがちですが、実際は虐待、性教育の不足、ジェンダー問題、社会格差などさまざまな要素が複雑に絡んでいます。またウイメンズヘルス領域の問題であるものの、生理の貧困状態にある人をどうやって見つけ出し、どのように支援すればよいかわからない、という声も聞かれます。

 

ここでは昨年末に弊社が実施した「生理の貧困」に関するアンケート結果をお伝えします。

 

▶回答者の属性(n=102)

 

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行動変容をそっと促す ナッジを使ったアプローチ①

ナッジとは、人の心理特性に沿って望ましい行動をしたくなるように促す設計のこと。この連載では、3人の医療職をめざす学生がナッジを学ぶ姿を通して、看護・介護に役立つヒントを示します。

 

頭でわかっているのに

行動できないのはなぜ?

 

竹林 正樹

たけばやし まさき

青森県立保健大学 博士/行動経済学研究者

 

 

相手を動かすということ

 

竹林 相手に望ましい行動をしてもらおうとしたけれどうまくいかなかった、という経験はありますか?

 

難波 私のまわりで、病気がひどくなるまで受診しない人がいて……。

 

竹林 最先端の治療方法が確立されても、患者が受診しないと医師は治療の提案すらできません。特に看護や介護では、心身の健康のために相手の行動変容を促したいと考える場面は多いでしょう。この連載では、「科学的根拠に基づいて人を動かす方法」を学んでいきます。人を動かす方法には、大きく分けて4つの段階があります1) 。
①正しい情報の提供(普及啓発)
②行動したくなる環境の整備(ナッジ)
③褒美と罰の設定(インセンティブ*1)
④選択の制限(強制)

 

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人事労務相談室❿

訪問看護ステーションや高齢者ケア施設で生じやすい

人事労務に関するトラブルと対応策、

またトラブルの防止策について解説いただきます。

 

“問題スタッフ”への
事業所の対応②

 

中山 伸雄

なかやま のぶお

社会保険労務士法人Nice-One 代表 / 社会保険労務士

 

 

 

前回は、“問題スタッフ(できることなら退職してもらいたいスタッフ)”が出現した場合の「初動」の対応法について紹介しました。ここで言う問題スタッフの出現とは、「素行が悪い」「能力不足」「勤怠不良」などのスタッフを雇い入れてしまったとき、またはスタッフにこれらが見られるようになったときです。前回のおさらいをすると、初動対応のポイントは以下の通りです。

 

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