NT2014年2月号の【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、
「専門看護師や認定看護師、また指導が苦手と言うベテラン看護師に新人指導に協力してもらうには?」
きっちりとした仕事の進め方の
モデリングが得意なのは誰?
スペシャリストの卓越した技術を新人指導に活用しないのはいかにももったいないと、私も考えます。
ところで、実地指導者の皆さんに、教育担当者はどのようなことを手助けしてくれているのかを尋ねたことがあります。まずはその回答からひもといてみます(表1)。
表1の⑤からは、新人が初めて体験する仕事を教えるにあたってきっちりとした仕事の進め方のモデルとして教えることはかなりハードルが高い様子であることがわかります。確かに、実地指導者研修における教えるロールプレーイングでも「自分が十分にできているという自信がないとモデルにはなれないと感じた」との感想が大変多いものです。
それでは、モデリング学習の指導に最もふさわしい人材は誰なのでしょうか? それは最も基本的な技術を身につけている人材です。例えば、新人に創へのテープ類の正しい使用方法が見せられるのはWOCナース(認定看護師)だと思います。
スペシャリストへの協力依頼
さて、組織活動への貢献の仕方には4つのタイプが存在するといわれています(図1)。
①トップ・リーダー型
自ら積極的に社会の変化を読み取り、適応するためにまったく新しい仕事の進め方を創造しよう、既存の進め方を変革しようと、集団に新しい価値を提案することで組織活動の成果に貢献しようとするタイプ。
②マネージャー型
個人の成果を集約しながら、既存の枠組みを維持・運用し、安定した成果を継続的に出せるよう集団に働きかけて組織活動の成果に貢献しようとするタイプ。
③スペシャリスト型
自ら積極的に専門性を磨き、新しい考え方や仕事の進め方を発見する、既存の考え方や仕事の進め方に工夫を加えて仕事の進め方を変革するなど、自らの優れた仕事の成果を通して組織活動の成果に貢献しようとするタイプ。
④オペレーター型
組織から示された方法を身につけることで専門性を発揮し、安定した成果を継続的に生み出し、個人的な成長を通して組織活動の成果に貢献しようとするタイプ。
専門看護師や認定看護師の方々は、③のスペシャリスト型に属する割合がとても高いと感じます。このタイプの方々は「仕事を教えることよりも自分が行うことが好き」と感じる傾向にあり、高いスキルは持っていますが後輩指導はあまり好まないことが多いようです。しかし、お手本となって仕事の進め方を見せることは逆に得意かもしれません。ただし、見て学び取ってほしいとの気持ちが強い可能性があり、懇切丁寧な説明を期待できるかは不確かです(続く)。
[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)
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