2月号の特集テーマは「認知症をもつ入院患者へのケア―回復過程に応じた援助方法」です。
身体疾患(脳神経疾患〈脳梗塞・脳出血・くも膜下出血等〉、運動器系疾患〈大腿骨頸部骨折・転子部骨折等〉、呼吸器系疾患〈誤嚥性肺炎等〉)を有する認知症患者の順調な回復を促進するための援助には、「急性期」「回復期」「慢性期」(認知症疾患のステージではなく身体疾患の回復過程)に応じた認知症ケアの専門知識と技術が必要です。特集では各期で特に必要となるケアとその方法、ナースの役割、日常生活再構築のための連携、家族へのケアなどについて、病棟のリーダーナースに向けてご紹介します。また後半の「誌上コンサルテーション」では困難事例6事例について解決策を模索します。
監修:島橋 誠
(日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程認知症看護学科主任教員/認知症看護認定看護師)
総論
身体疾患を有する認知症の人の看護
島橋 誠
(日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程認知症看護学科主任教員/認知症看護認定看護師)
各期に応じたケアと看護師の役割
―認知症疾患特有の生活障害を踏まえて
①急性期
加藤滋代(藤田保健衛生大学病院/認知症看護認定看護師)
②回復期
中川かおり(伊勢原協同病院/認知症看護認定看護師)
③慢性期
森林朋英(日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程認知症看護学科専任教員/認知症看護認定看護師)
困難事例の誌上コンサルテーション
1 せん妄により転倒・転落の危険性が高いケース
(急性期患者ケア)
浅見千代美
(松山赤十字病院/認知症看護認定看護師)
2 家族の認知症への不安が強いケース
(急性期家族ケア)
後藤聡美
(高田中央病院ものわすれ相談室/認知症看護認定看護師)
3 興奮や易怒性があり、
支援やリハビリテーションが進まないケース(回復期患者ケア)
豊島美智代
(オアシス湘南病院/認知症看護認定看護師)
4 在宅から施設入所へ変更となったことで、
家族が罪悪感にとらわれているケース(回復期家族ケア)
佐々木美幸
(八潮中央総合病院/認知症看護認定看護師)
5 夕方になると「家に帰ります」と歩き出そうとする
患者のケース(慢性期患者ケア)
森 真紀
(愛全病院/認知症看護認定看護師)
6 脳梗塞の慢性期に認知症と診断されたが、
家族が受け入れられないケース(慢性期家族ケア)
松本美江
(老年病研究所附属病院/認知症看護認定看護師)
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