〈第2特集〉
現在、感染対策のエビデンスとされている「スタンダード・プリコーション」(標準予防策)は、アメリカの疾病予防管理センター(CDC)から示された基本的な原則です。しかし、この原則は急性期病院を主な対象としているために、衛生材料に限りがあるなどの理由で在宅で徹底することは難しく、“生活の場”に即した感染対策の方法が求められます。
本誌では、聖路加国際病院訪問看護ステーション所長の押川眞喜子さんの企画で2005年4月号から2006年7月号にかけて、在宅での感染管理をテーマに連載記事を16回にわたってお届けしました。その後、連載は加筆の上、『これだけは知っておきたい! 在宅での感染対策』として書籍化され、在宅の現場で活用されています。
ただし、基礎的な知識を網羅する必要があったため、書籍では“原則”を緩くすることはできず、編著者の押川さん自身、「この本をもとに“在宅ならではの視点”をみんなに知らせたい」という気持ちがありました。
そこで第1特集では、「インタビュー」で、押川さんに「在宅ならではの感染対策の視点」と書籍の活用法を述べていただき、「事例」で、聖路加国際病院訪問看護ステーションのスタッフの方々に、在宅でのさまざまなケースから“ここまでは押さえておきたい”感染対策のポイントを報告していただきます。
本誌で2006年9月号から2009年3月号まで連載された「藤原泰子の“訪問看護・在宅ケアあれこれ”」は、経験豊富な筆者・藤原泰子さんの日々の訪問看護のシーンがつづられ、ときには、制度への辛口の批評がズバリと語られる人気のエッセーでした。
連載終了とともに、藤原さんは故郷である岡山で教育者となり、自らも「訪問看護における看取り」をテーマに博士論文の執筆に集中する日々を過ごしました。 その博士論文を作成している中で、「在宅での看取りを“5つのステージ”に分けて考えると理解しやすいのではないか」と考えた藤原さんは、在宅での看取りマニュアル試案を作成しました。
第2特集では、そのマニュアル試案を転載します。「経験の少ない訪問看護師さんが在宅看取りにかかわるときに、このマニュアルを役立ててほしい」と語る藤原さん。さらによいものにするために、読者の皆さんからの意見を待っています。
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