前回の診療報酬改定時に日本看護協会が実施し、大好評を博したオンデマンド研修「院内研修に活用できる! 重症度、医療・看護必要度 まるわかりガイド」が、書籍になりました。今次改定に基づき情報をアップデートするとともに、内容の充実化を図りました。
本制度をコンパクトかつ過不足なく解説した、院内研修テキストとしても、自己学習用にもおすすめの1冊です。
■診療報酬改定と「重症度、医療・看護必要度」
「重症度、医療・看護必要度」は、入院患者の状態を客観的に評価することによって看護の必要量を把握し、適正な看護職員配置を検討するための指標として開発されました。
2002年度診療報酬改定において導入されて以来、2年ごとの診療報酬改定で見直しが行われ、評価項目や「評価票」に変更が加えられてきました。名称も、「重症度」から「重症度・看護必要度」、そして現在の「重症度、医療・看護必要度」へと移り変わっています。
現在、急性期の入院患者の状態像を把握する全国的に標準化されたデータは、この「重症度、医療・看護必要度」のみです。そして、これにより得られたデータは、各医療機関における入院患者の状態を踏まえた看護職員の配置などの看護管理に、さらには、国として今後の入院医療のあり方を検討する際に役立てられます。
■今次改定で「どこがどう変わったか」が一目瞭然
本書では、2022年度診療報酬改定における「重症度、医療・看護必要度」の「評価票」と「評価の手引き」を、2022年3月4日発出の厚生労働省通知(保医発0304第2号)に基づき全文掲載。その上で、前回改定からどこがどう変わったのかが一目でわかるよう、マーカー付け+註マークによって表示し、整理するとともに、改定内容に伴う評価のポイントをまとめました。
なお、本書の記載には、上記通知の後に発出された訂正通知や疑義解釈の内容も反映させてあります。
■院内研修・院内監査の実施方法も
わかりやすくガイド
「重症度、医療・看護必要度」の評価については、「院内研修を受けた者が行うこと」と、「評価の手引き」に明記されています。
看護職員をはじめとする評価者が、院内研修を通して確実に評価の方法を身につけるには、まず、研修を実施する人が制度について十分に理解している必要があります。
そこで、本書では、院内研修と院内監査の実施方法についても章を設け、具体的にわかりやすくガイドしました。
研修後に知識の定着を確認するためのテスト問題例や、日本看護協会が作成した、院内研修で使える資料をダウンロードできるQRコードも掲載。さらに、評価の際に迷いがちな事項をピックアップし、Q&A形式で解説しています。
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これさえ読めば、「重症度、医療・看護必要度」の評価実務の〈要するに〉がわかる、院内研修実施者・受講者のテキストとしても、自己学習用にも最適の1冊です。皆様の看護実践の正確な評価と質向上に、ぜひご活用ください。
2022年度診療報酬改定対応
「重症度、医療・看護必要度」解説書
公益社団法人 日本看護協会 編
●B5判 112ページ
●定価2,640円
(本体2,400円+税10%)
ISBN 978-4-8180-2417-5
日本看護協会出版会
(TEL:0436-23-3271)
【目次】
第1章 「重症度、医療・看護必要度」とは
意義・目的/前回診療報酬改定までの変遷/今次改定の概要
第2章 2022年度診療報酬改定における「重症度、医療・看護必要度」
各「評価票」「評価の手引き」の改定のポイントと注意点(「一般病棟用 I」「同 II」「特定集中治療室用 I」「同 II」「ハイケアユニット用」「日常生活機能評価票」)
第3章 院内研修および院内監査の実施方法
院内研修の企画・実施/院内監査体制の構築/看護管理者の役割
◆資料/確認テスト問題例/Q&A/他
看護2022年7月号より