特別寄稿 コロナ第5波の収束要因と今後の医療提供体制の展望


倉原 優

(くらはら・ゆう)

 

独立行政法人国立病院機構
近畿中央呼吸器センター内科 医師

 

2006年滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院の初期臨床研修修了後、2008年より現職。日本内科学会総合内科専門医・指導医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医。「ナース・研修医のための Dr.倉原の 呼吸にまつわる数字のはなし」(メディカ出版)、「ポケット呼吸器診療2021」(シーニュ)など著書多数。

 

新型コロナウイルスの流行「第5波」で感染者数が激減した理由は何だったのでしょうか。また、今後の流行に対応する医療提供体制はどうあるべきなのでしょうか。最前線でCOVID-19の患者の治療にあたってきた倉原優さんに解説していただきます。

 

第4・5波で起きた医療のひっ迫

 

新型コロナウイルス感染症(以下:COVID-19)患者の急増によって、2021年4、5月の第4波では関西の医療が、同年8、9月の第5波では関東の医療がひっ迫しました。全国的に見ても、緊急事態宣言等における行動制限の緩和時期や変異ウイルスの流行期の違いにより時期的な差異が生じたものの、いずれの波においても多くの医療現場から悲鳴が上がりました。

 

医療ひっ迫を判断する際の厳密な定義はありませんが、COVID-19の影響で病院のマンパワーが不足し通常診療に支障を来すようになると、そのような状況にあると言えるでしょう。これを受けて地域医療において最も困るのが、救急搬送困難事例の増加です(図1)。実際に関西圏の第4波、関東圏の第5波のときに、COVID-19とまったく関係のない心肺停止の患者を搬送できないケースがあったことを何度か耳にしました。これが理由で救えた命が失われたのであれば、非常に悲しいことです。

 

第5波が収束した要因

 

ウイルスの性質上、ある一定の集団において一定割合の人が感染すれば新規感染が頭打ちになるため、エピカーブ(流行曲線)は正規分布のような形をとります(図2)1)。そのため、大きな波が起これば経時的に大きく収束するというのは、急性ウイルス感染症の必然的な側面といえるかもしれません。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2022年2月号)

 

 

 


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