訪問看護ステーションの経営戦略(18)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

管理者の訪問回数を
ゼロにする売上高とは

渡邉 尚之

 

皆さんは訪問看護ステーション管理者の理想の訪問回数は何回だと考えていますか。管理者なのだから率先してほかのスタッフより多く訪問するべきだと思いますか、それとも請求業務や書類作成業務が多いため、訪問回数を少なくすべきだと考えますか?

 

管理者の理想の訪問回数は0回

今回は訪問看護ステーションの管理者の訪問回数について、経営の観点から考察します。

 

筆者が考える訪問看護ステーションの管理者の理想の訪問回数は0回です。なぜなら、管理者の役割は管理(マネジメント)だからです。

 

 

スタッフはプレーヤーですが、管理者はマネジャーであり、その責務はステーション全体を組織として円滑に動かし、事業を適切に運営することです。もし管理者がスタッフと同様に訪問業務を行えば、その分マネジャーとしての業務時間が削減されます。管理者はスタッフとは異なる、自らの役職に求められる役割を果たすことが重要です。

 

一般的に管理者はスタッフより給与額が高い傾向にあります。その理由は管理業務を行うからです。決して率先して訪問業務をこなすことを期待されているわけではありません。スタッフと同様に訪問業務をしているだけでは、管理者として対価を得るに値する業務を行っているとはいえません。

 

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2019年8月号)