2007年6月、北九州市の某病院で看護師が高齢の入院患者の爪をはがす虐待があったと報道され、その1ヵ月後、虐待をしたとされる看護師が起訴されました。
一審では有罪、控訴審で無罪となり結審しましたが、3年にわたるこの事件の経過は医療の現場に多くの教訓を残しました。
当事者の看護職者や患者そしてその関係者はもちろん、日本の看護職者、日本の医療にとって、この出来事はどのような意味を持ち、どのように受け止めるべきなのかを、きちんと検証していく必要があります。
そこで小社では、事件の経過に関する論文や、解決に向けて日本看護協会や福岡県看護協会が行った支援や情報発信、経過とともに変化していった報道などを再構成し、事件の全貌をまとめた『「爪のケア」に関する刑事事件ー経緯と支援の実際ー』(日本看護協会編)を刊行しました。
各方面から刊行を求める声が寄せられていた本書を、臨床で働く看護職の方々はもちろん、看護教育の現場で「看護行為とは何か」について考えていただくきっかけにしていただければと思います。
★本書の内容を一部公開しています★
↓ ↓
◯第1章:解説編
日本看護協会の活動と見解:職能団体としての役割と支援の実際から(日本看護協会常任理事 福井トシ子) 「『爪のケア』に関する刑事事件」の事件報道と日本看護協会の広報活動(日本看護協会 広報部)
◯第2章:資料編
資料2「『爪のケア』に関する刑事事件」の支援報告について
おわりに(前日本看護協会事業開発部部長/新潟県立看護大学教授 坪倉繁美)