訪問看護ステーションの経営戦略(7)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

 

 

組織論を学んでみよう

渡邉 尚之

 

 

皆さんは“理想の組織”について考えたことはありますか? 複数のスタッフの集まりである訪問看護ステーションは立派な組織です。とはいえ、日々の業務の多忙さなどにより、組織管理を意識しながら運営を行っている管理者は少ないのではないでしょうか。

 

しかし、組織論のエッセンスには、スタッフとの接し方などにおけるヒントが多くあります。そこで今回は、経営学での組織論について解説します。少し学問的な部分もありますが、経営学としては大変有名な話ですし、ステーション経営にも実践的に役立つ内容です。自ステーションにとってどのような組織が最適であり、スタッフをどのようにマネジメントすべきかを意識して読んでいただければと思います。

 

 

 

組織と従業員を巡る壮大なドラマ

組織論の歴史

 

組織について考える際に、私は組織論の歴史を簡単に振り返ることをすすめています。なぜなら、これは20世紀初頭から現在に至るまで、企業がどのような組織構造を採用したときに業績が最高となるのかの研究成果であり、多くの示唆に富んでいるからです。

 

本稿では大きく2つの組織論を紹介します。1つは組織で働く従業員を機械的に捉える考え、もう1つは組織で働く従業員の人間関係に着目する考えです。

 

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2018年7月号)