看護職が辞めない組織をつくる!(22)

訪問看護ステーションや高齢者ケア施設の管理者が抱える課題を浮き彫りにし、どうしたら職員が辞めない組織づくりができるのかについて指南します。

 

 

 

ターミナルケアにおける
職員の精神的負担を減らす施策

 

横山 郁子

よこやま いくこ

株式会社パーソナル・ナース 代表取締役/訪問看護塾 塾長
神奈川県訪問看護ステーション協議会 会長

 

 

少人数で働くことが多い訪問看護ステーションでは、職員同士のコミュニケーションの質が離職率を大きく左右します。

 

本連載ではこれまで、職場におけるコミュニケーションのコツについて、さまざまなアプローチから掘り下げて紹介してきました。そこで、今号はこれまでお伝えした「離職率を低下させるコミュニケーションの仕組みづくりのコツ」を新たな方法も付け加えつつ、総集編としてお伝えします。

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医療行政なるほど塾

財務省が医療制度改革で考え方示す
診療報酬の地域別単価導入を提案

 

「社会保険旬報」編集部

 

 

財務省は、4月16日の財政制度等審議会財政制度分科会(十倉雅和分科会長)に、医療制度改革の考え方を示しました。診療所の偏在を是正するため、診療報酬の地域別単価を導入することや、費用対効果評価の結果を保険収載の可否の判断に用いることなどを提案しています。地域別単価導入に対しては、日本医師会の松本吉郎会長が反論しています。

 

●こども・高齢化をテーマに議論

 

4月16日の財政制度分科会は、「春の建議」の策定に向け「こども・高齢化」をテーマに議論。財務省は、少子化対策・医療・介護・年金を含め社会保障制度改革の考え方を説明しました。このうち、医療制度改革については、①質の高い医療の効率的な提供、②保険給付範囲の在り方の見直し、③高齢化・人口減少下での負担の公平化の3本柱で、改革項目を示しています。

 

「質の高い医療の効率的な提供」では、公的価格(診療報酬・薬価)の適正化、費用対効果評価、医師偏在対策、地域医療構想、経営情報の見える化などについて改革の方向性を示しています。

 

→続きは本誌で(看護2024年7月号)

 


GRAPH WHO西太平洋地域事務局への出向を終えて

 

日本看護協会 看護開発部

安西 恵梨子

 

 

2022年6月から2年間、日本看護協会より世界保健機関(以下:WHO)西太平洋地域事務局に出向した安西恵梨子さん。WHOにおける活動内容や自身の役割を振り返るとともに、実施した主な取り組みの成果などについて述べてもらいました。

 

日本看護協会(以下:本会)で看護師の業務や教育に関する政策提言などに携わった後、2022年6月から2年間、WHO西太平洋地域事務局(Western Pacific Regional Office:WPRO)に出向となった。この出向は、WPROに長らく看護を担当するポストがなく、看護に焦点を当てた活動が行われてこなかったため、出向者の派遣を通じて、この地域の看護のさらなる発展に寄与することを目的としていた。

 

わずか2年間でWHOという未知の世界で何ができるのか、不安ばかりが膨らんでのスタートだったが、多くの方々の協力を得て「保健医療人材」に埋もれていた「看護師」に焦点を当て、看護がWPROにおいても強化に取り組むべき重要な領域であることを示し、今後の看護に関する活動基盤を構築することができた。後述するNursing Officerとしての実績が評価され、WPROに正規の「Nursing Officer」のポストが創設されるに至った。

 

→続きは本誌で(看護2024年7月号)

 


【Book Selection】新刊書籍のご紹介

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地域で活躍する薬剤師が解説! おくすりガイド(15)

多くの在宅療養者が服用している治療薬を中心に、副作用とその兆候、保管・管理方法、効果時間・代謝、注意点などを、事例を交えながら解説します。

 

 

 

 

(15)

 

高齢者糖尿病:蛯原 悠介

 

 

本稿では、高齢者糖尿病に関して、症状の1つである低血糖とインスリン療法に注目します。また、高齢者糖尿病の対応事例を紹介します。

 

高齢者糖尿病の概要
高齢者糖尿病とは、65歳以上の糖尿病のことと定義されています。高齢者糖尿病の中でも、75歳以上の高齢者と認知機能・ADL低下がある一部の65~74歳の糖尿病について、特に注意すべき「高齢者糖尿病」と位置づけられています。

2019年に実施された国民健康・栄養調査によると、「糖尿病が強く疑われる者」「糖尿病の可能性を否定できない者」を合わせた割合が65歳以上では4割近くを占めており、加齢に伴い糖尿病に罹患する割合が増加していることがわかります。

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