病棟から精神科訪問看護に飛び込んだこころさんが、看護大学で働くカワウソ先生との対話を通して在宅の精神科看護を学び、成長していく物語です。
川下 貴士 ●かわしも たかし
松蔭大学看護学部看護学科精神看護学 助教
第6回 100点満点じゃなくても
前回のあらすじ
こころさんは調子を崩して入院してしまったAさんになにができるか、悩みました。しかし、「心理教育」の一環としての服薬支援や治療同盟についてカピバラ先生から教わり、再び前を向きます!
こころ カワウソ先生、実はとってもうれしい報告があります!
カワウソ こころさん、すごく素敵な笑顔ですね。どうしましたか?
こころ それが……Aさんが退院してから、2週間ほどたっているのですが、状態が安定しているんです。
カワウソ それはよかったです! 状態が安定している、ということはお薬も継続的に飲めているのでしょうか?
こころ 実はAさん、入院したときに糖尿病であることがわかって、薬が増えたらしく……。その際に病棟の看護師さんから服薬支援を受けていたという話も聞いたのですが、薬を飲むことに関する考えは入院前とあまり変わらないように感じました。ただ、カピバラ先生から教わったこと*1を実践してみたら、今のところうまくいっているんです!
カワウソ ふむふむ。どんな説明をしたのか、ぜひ聞かせてください。①
POINT①
現実世界では、患者さんの個人情報を公にするのは厳禁ですよ!