SPECIAL BOOK GUIDE 認知症ケア加算算定に活用できる 『多職種チームで取り組む 認知症ケアの手引き』刊行―急性期病院での認知症患者のケアの質向上に!

 

平成28年度診療報酬改定で「認知症ケア加算」が新設され、急性期病院では認知症患者の視点を尊重したケアが重視されるようになってきました。小社刊『多職種チームで取り組む 認知症ケアの手引き』は、加算要件となっている認知症ケアチームの活動や手順書作成について、わかりやすく解説しています。

 

これから認知症ケア加算を申請したいと考えている施設はもちろんのこと、すでに算定している施設にも、日々の実践や職員教育などに幅広くご活用いただけます。

 

■急性期病院での認知症患者への対応の現状

 

身体疾患で急性期病院に入院した高齢者が認知症だった、というケースは最近では珍しくないことでしょう。しかし認知症が社会問題となってからまだ日は浅く、これまで急性期病院では認知症に関してあまり意識されてこなかったため、急増している認知症患者の対応に苦慮している現状があります。

 

「治療優先」の急性期病院では、歩き回る、大声を出す、処置を拒否するなどの行為をする認知症患者に対して、仕方なく行動制限や身体的拘束などを行う場合もまだまだ見られます。

 

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トシコとヒロミの往復書簡 第19回

本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

 

井部俊子さんから川越博美さんへの手紙

守備範囲の拡大

文:井部俊子

 

私たちの往復書簡も19回目になるのですね。そういえば連載初回の対談以来、一度もナマの川越さんにお会いしていないなと思いつつ、「刺激的で変化に富んだ今」を送っているあなたを想像しています。

 

75歳未満は准高齢者にしたらどうかと日本老年医学会が提唱していると、先日の新聞が報じていました。私は出産・子育てを経験していないので、今でも若者気分が抜けず、街を行く女子のファッションが気になり、自分ならあんな色づかいはしないわ、などとライバル意識(?)を燃やしたりします。そして、もうそんな年ではないことに気づき現実に戻るのです。世の中の高齢者は、何の抵抗もなく自分の老いを受け入れていくのでしょうか。私はまだ“否認”のステージに固着しています。

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地域ケアの今⑲

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

高齢者への支援を考える

自立支援から看取りまで

文:鳥海房枝

 

介護現場では、高齢者ができないことを介護者が“肩代わりしてあげる”のではなく、自身が行えるように支援する視点が重要と言われています。これが自立支援に結びつけられて、オムツ使用からトイレ誘導へ、経管栄養から経口摂取へなど、熱心に取り組む高齢者ケア施設が増えています。そして、オムツ使用者ゼロや食事の全量摂取、1日の水分摂取量1000〜1500mLなどをその成果として発表しているのを目にします。

 

私はこれらを取り組みの成果として聞きながら、その一方で、ここに死をどのように肯定的に位置づけて支援しているのかを聞きたくなります。なぜなら高齢者の暮らしの中で、死は特別なものではなく、命を生き抜いた先にあるものだからです。その意味で生と死は連続しています。

地域ケア・在宅ケアに携わる人のための月刊誌「コミュニティケア」のご紹介

地域ケア・在宅ケアの話題は本誌でも折々に取り上げていますが、姉妹誌「コミュニティケア」(以下:CC)では、毎月、より詳しくお伝えしています。地域包括ケアの時代、本誌の主な読者である病院看護職の皆さまにもぜひ併せてお読みいただきたい雑誌です。今回は4月号の内容を一部ご紹介します。

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【今月のオススメ書籍】 熊本地震から1年―大災害の教訓を今後の備えに生かす

2016年4月14日、熊本・大分両県で最大震度7の地震が発生しました。その後も昨年11月30日までに4,000回以上の地震があり、犠牲者は200名を超え、現在も仮設住宅で生活されている方は1万人以上いるとのことです。

 

阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と大規模地震が続き、今後いつ、どこで、再び大地震が起こるかわかりません。

私たちはこれらの災害経験の教訓を生かし、今後に備えていかなければならないでしょう。

 

そこで今月は、災害看護関連の書籍・雑誌をご紹介いたします。

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