書評『がん終末期患者のストーマケア Q&A』(祖父江正代・松浦信子 編)

評者:溝上 祐子(公益社団法人日本看護協会看護研修学校認定看護師教育課程長)

 

これからの日本は急速に進む高齢化・多死社会を迎えるに当たり、医療のあり方を大きく変化させていくことが求められている。

 

看護師が働く場所も病院だけでなく、あらゆる保健施設や老人施設、そして在宅の場など多様化していくであろう。現在は看取りの場所のトップは病院であるが、今後はその受け入れ病床が不足することが予測されている。

 

もはや、がん終末期の緩和ケアは病院だけではなく、あらゆる場面で必要となってくる。これからの看護師はプロフェッショナルとして、あらゆる職種と協働しながらリーダーシップを執っていく能力と知識を持たなければならない。

 

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【NT8月号特集】これからのストーマ管理 在宅・施設へ安全につなぐ

先週まで連載の紹介ばかりしていましたが、今日はメインの特集の紹介です。8月号では専門的な管理の必要がないストーマの装具交換を医療者以外も行えるようになったことを受けて、「このような中で本当にストーマ保有者の安全を守っていくために、ナースは何を知っておくべきかを伝えるべき」という編集会議での意見を受けて特集を組みました。

 

監修をしてくださったのは、日本創傷・オストミー・失禁管理学会で、医療者以外のストーマ装具交換の指針作りに携わった田中秀子先生(淑徳大学看護栄養学部教授)です。

 

各論では、さまざまな場面でストーマ保有者の安全を守るために活動されている皮膚・排泄ケア認定看護師の皆さんに、実際の活動をご紹介いただいています。以下では、そのポイントをご紹介します。

 

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NT2012年8月号連載【トゥデイズ・インタビュー】紹介

NT2012年8月号の連載【トゥデイズ・インタビュー】では、

皮膚・排泄ケア認定看護師・がん看護専門看護師の祖父江正代さんに、

終末期患者のストーマケア」

をテーマにお話を伺いました。

 

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『がん終末期患者のストーマケアQ&A』が刊行されました

「緩和ストーマ造設直後のストーマケア」から「臨死期・死後のストーマケア」まで、実践のヒントにつながる80のQ&Aを掲載!


 

がん終末期ストーマ保有者のQOL向上のためには、起こり得るさまざまなストーマケア上の問題の予防や解決、身体的苦痛や精神的苦痛も考慮したストーマケアの提供が求められています。一般的なストーマリハビリテーション技術に加えてがん終末期患者の心身の特徴に合わせたストーマケアの応用や工夫が必要になります。

 

本書は、緩和的なストーマ造設を受ける終末期患者だけでなく、ストーマ保有者が長い経過のなかで終末期を迎える場合も含め、臨床のなかで多くみられるがん終末期ストーマケア上の問題を抽出して、解決策がわかりやすいようQ&A方式でまとめました。

 

編集

祖父江正代(JA愛知厚生連江南厚生病院看護部 がん看護専門看護師/皮膚・排泄ケア認定看護師)

松浦信子(公益財団法人がん研有明病院看護部WOC支援室 WOCナース)

B5判 248頁 2,940円(税込)

ISBN 978-4-8180-1650-7

 

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