NT2013年4月号の【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、
「病院の方針が変わると、チーム内で不満が出て、対立が起こります…」
コンフリクトは組織の成長の証し
組織を取り巻く環境変化に適応しようと急速に変革を進めていくと、メンバーの一部はその変化を脅威と受け取り、さまざまな形で抵抗しようとします。そこで変革を進めようとするメンバーとの間に対立が起こります。となると、組織に葛藤が起きないことは組織変革が起きていないとも考えられます。
現代のように技術革新のスピードが加速する経営環境下では、「調和的で平穏な協力的集団は停滞しがちだ。効果的にコンフリクトを起こす必要がある」との調査結果もあります1)。身近なことでは「電子カルテを導入時」「新人を配属する時」「機能評価の更新をする時」などに業務コンフリクトが起き、職場は混乱しますが、そのようなことがない職場よりも活性度や革新度が高いことに皆さんも気がつかれていると思います。
コンフリクトマネジメント力を磨く
組織の成長が停滞している時には、コンフリクトを戦略的に活用しようとする企業もあります。そもそも、コンフリクトに対処するすべを備えることができれば、コンフリクトに悩むこともなく、避ける必要もなくなります。そこでリーダーがコンフリクトマネジメント力を養うトレーニングが脚光を浴び始めています。
心理学者のトーマスとキルマンは、人が対立した時に取り得る態度を5つのモードに分類しています(表1)。コンフリクトマネジメントはWin-Winの協調的な解決をめざすものです。
[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)