精神科病院で働きながら、文筆活動を行う宮子あずささん。最近気になること、疑問に思うことなどを書きつづります
(22)“同性ケア”に思うこと
訪問する看護師の性別
以前所属していた訪問看護室では、訪問する看護師の性別がよく問題になりました。一番多かったのは、女性の利用者が女性看護師を希望するパターンです。
看護師であっても、男性は部屋に入れたくない。そう思う女性は少なくありません。これは、性暴力による被害が女性に多い現状から、十分理解できます。
では、逆に、男性利用者が女性看護師を希望するパターンについては、どう考えるでしょうか。
実際このような男性利用者は何人もいて、あるとき理由を聞くと、「来てもらうなら女性がいいに決まっている」。
その後の会話で、言葉の端々に、人の世話をするのは「女の仕事」という決めつけを感じ、とてもがっかりしました。
当時の訪問看護室には、女性看護師が多数。男性を指定されても困る状況ではあったのですが………。