アンガーマネジメント(新連載)

怒りの感情と上手に付き合う手法“アンガーマネジメント”を看護職が医療・介護現場で生かすための、基礎知識と看護実践への活用のポイントを解説します。

 

アンガーマネジメントとは

光前 麻由美

 

医療制度改革により、入院患者の平均在院日数は減少し、入院当初からの退院支援に向けたかかわりが必要とされるようになりました。医療の進歩の半面、超高齢社会を迎え、生活習慣病を罹患する人が増加している現代では、退院後も病気と付き合いながら生活していくための「治す医療ではなく支える医療」という考え方が求められています。

 

この実現には、さまざまな専門職が協働して療養者やその家族を支援し、療養環境を整えることが重要です。しかし、在宅では医療機関のような設備は整っておらず、また療養者や家族の生活、価値観などが優先されるため、十分な療養環境を整備しにくいこともあります。また、療養者・家族の私生活に深くかかわる場面もあり、ケアを提供する人がジレンマやストレスを感じることも少なくないでしょう。

 

療養者や家族、また多職種・多機関とよい関係性を築くことは、適切な療養環境の整備や、互いのストレスの軽減につながります。人と人とがコミュニケーションをとる上で欠かせないのが“感情”です。感情には、うれしい、楽しいといったポジティブなものがある一方、つらい、悲しい、苦しいといったネガティブなものもあります。その中でも“怒り”の感情は、扱いを間違えるとトラブルにつながる可能性があるものです。

 

そこで本連載では、怒りの感情に焦点を当てた“アンガーマネジメント”について解説します。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2019年4月号)