看護研究は、臨床・教育・管理の場において、課題や問題に対応できる新たな知見や技術を見いだすために行われる系統的な探究です。特に、臨床領域で行われる研究は、看護の質の向上に直接的に寄与するものです。意義のある看護研究を効率よく行うためには、研究課題の絞り込みから概念枠組みの構築、研究デザインに沿ったデータの収集・分析方法などについて正しい知識を身につける必要があります。本書初版は、看護職をめざす学生、大学院生、臨床現場で働くナース、研究の指導者など幅広い層の読者にご愛読いただきました。さらなる内容の充実をはかった第2版の刊行にあたり、その特色と活用のヒントをご紹介します。
■質的研究・量的研究の基本となる知識が身につく
研究は、組織立った科学的な方法を用いて、系統的に、順序を踏んで行われるものです。
本書では、研究の過程を大きく6段階(「研究課題の選択」「研究課題と概念枠組みの明確化」「研究方法の選定」「研究データの収集」「研究データの分析」「結果とその解釈および研究の発表」)に区分し、各段階について丁寧に解説していきます。
研究課題(研究の問い)の答えを導き出すためには、最も適切な研究デザイン(アプローチ)を選択することが重要ですが、本書では、研究デザインの分類(①質的記述研究デザイン、②量的記述研究デザイン、③仮説検証型研究デザイン、④因果関係検証型研究デザイン)を示し、それぞれの基礎的な研究方法について詳細に紹介します。
■実際の研究例と解説から具体的な進め方が学べる
研究の進め方や各段階の注意点は、実際に看護職が行った研究例を示しながら解説されるため、具体的かつわかりやすいものになっています。また、全ページがカラー化され、ポイントがわかりやすく、図表も見やすくなりました。
南裕子・野嶋佐由美 編集
●B5判 304ページ
●定価(本体2,900円+税)
ISBN 978-4-8180-2066-5
日本看護協会出版会
(TEL:0436-23-3271)