ステーションの看護を見える化しよう!(9)

看護プロセスや実践知が明示・共有されづらいとされる訪問看護。その業務を“見える化”し、よりよいケアの提供や、管理者・スタッフの仕事の楽しさ向上につなげる方法を、谷口由紀子さんと、山本則子さんを中心とするグループが解説します。

 

事例研究:学会発表をしよう!

野口 麻衣子 ◆山本 則子

 

「学会」と聞くだけで、「難しい、自分には関係ない」と思っていませんか? でも、そんなことはありません。学会は学問領域の発展などを目的として運営される団体で、通常、研究成果の発表や会員同士の交流を目的とした学術集会を年に1回開催します。学会発表とは、この集会で発表することです。エビデンスレベルが高いとされるランダム化比較試験やそのメタ分析についての研究だけでなく、事例研究や事例報告も数多く発表されています。看護は実践科学です。実践の場での問題を取り扱い、実践の場で使える研究こそが、“生きた研究”と言えます。そのため、事例研究を含む、実践現場からの研究は大変重要視され、歓迎されます。

 

学会発表の申し込み・抄録作成

学会発表をするには、どのような準備を行い、どのように申し込めばよいのでしょうか。

 

●発表する学術集会の決定

学会発表をすると決めたら、それをどの学術集会で行うかを検討します。自身の活動している領域の学会の学術集会では、似た関心や悩みを持つ参加者と出会う可能性が高いです。訪問看護師の参加が多い学会としては、日本看護学会―在宅看護、日本在宅看護学会、日本在宅ケア学会などが代表的です。また、特定の症状へのケアについて発表したい場合は、その症状や診療科などにフォーカスした学会もよいでしょう。例えば、褥瘡であれば日本褥瘡学会、緩和ケアであれば日本緩和医療学会などです。自身の関心と発表内容に合わせて決定します。
学会への加入
学術集会で発表するためには、その学会の会員になる必要があります。入会申し込み手続きの具体的な手順は学会により異なるので、各学会のウェブサイトなどで確認します。演題申し込みの時点で入会手続きを行っていることが必要な場合が多いので、注意してください。

 

なお、共同演者がいる場合、全員が学会員である必要がある、筆頭発表者のみが会員であればよいなど、学会により規定が異なります。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2017年12月号)