看護研究の質向上と時間短縮を実現する! 『「尺度」を使った看護研究のキホンとコツ』刊行! 既存の「尺度」をどう選び、どう評価して 看護研究に活用するかがすぐわかる!

「尺度」表紙看護研究の精度を上げ、かつスピードアップも実現するための1つの有効な方法として、既存の「尺度」を的確に使うことが挙げられます。そもそも「尺度」とは何か、どのような視点で既存の尺度を選ぶか、そして「尺度」を使った調査の結果をどのように分析するかなど、よりよい看護研究に取り組むための「尺度」の使い方のキホンとコツを徹底解説します。

 

 

 


■近年、増えてきている「看護研究」

「看護研究」は現場で実際に起こっている“看護の現象”を客観的な手法で紐解いていく方法であり、その結果は次の看護実践の裏付け、いわゆるエビデンスになります。そして看護実践における質向上の社会的要請の高まりに対応するため、看護研究は近年盛んに行われてきています。

 

これまでの多くの看護研究は“看護実践者”によって行われてきました。しかし“研究”の系統的な学習を積み重ねる機会が少ない傾向にあり、また多忙な業務を実践しながら時間を割かなければならない看護実践者による看護研究の中には、エビデンスの価値を認められない脆弱なレベルのものも決して少なくありませんでした。

 

■看護実践者による研究に必須な「尺度」
一方、看護系大学院の増加に伴って、看護学領域で活用できる「尺度」の開発がますます加速するであろうと予測されています。そして、この「尺度」こそが、看護実践者の看護研究の質向上・時間短縮に大いに役立つ“道具”なのです。

 

これまでの看護実践者による研究は、質問紙調査研究が大半を占めていました。質問紙調査は研究目的に応じて客観的な情報を数的に得られるという特徴をもつ優れた研究手法です。しかし、調査用紙の質次第で研究の良しあしが決まります。

 

そこで、調査用紙に既存の「尺度」を活用する研究手法が注目されてきています。よい「尺度」は、その開発過程で、内的一貫性・安定性・均等性で評定された“信頼性”と、内容妥当性・表面妥当性・基準関連妥当性・構成概念妥当性で確認された“妥当性”が保証されています。したがって、「よい尺度」を使えば、それだけで質の高い看護研究が短い期間で実現できるのです。

 

■「尺度」の的確な活用に絞った内容
本書では、看護実践者の皆さんの貴重な時間と労力をかけた看護研究のレベルを少しでも高めるために、この「尺度」の活用に焦点を絞って解説しています。「尺度」の開発過程とその意義を理解することが最も重要であること、安易に用いたり、用い方を間違えると大変な結果になること、そのほか「尺度」について、とても丁寧にやさしく語られています。本書で「尺度」の有効な活用方法を学び、質の高い看護研究を短い時間で実現してみませんか?

 

 

-「看護」2016年10月号「SPECIAL BOOK GUIDE」より –

 

「尺度」を使った

看護研究のキホンとコツ