『看護管理者のための実践的マネジメント』初版発行から4年、新たに看護管理者に必要なジェネリックスキルやBSCの実践方法、平成24年度診療報酬改定への対応などの項目を加筆し、より充実した第2版が刊行されました。看護管理を実践している皆様の、経営感覚と知識を高める工夫が凝らされた本書より、その内容の一部をご紹介致します。
■「経営マインド」を意識しよう
本書の著者、吉田二美子氏は、看護師、ナースコンサルタントとして勤務された後、製薬・医療系企業で経営コンサルティング業務等を担当され、現在はご自身設立の会社において医療施設経営コンサルティングおよび教育事業に携わっています。
本書において、吉田氏は、「よりよい組織運営のためには、できるだけ多くの管理者が『経営マインド』を醸成する必要がある。本当の意味での経営マインドを醸成するには、かなりマインドセット(考え方、思考)を変える必要がある。これらは、一朝一夕には変化しない。できるだけ早いうちから、経営マインドを意識する必要がある」と指摘します。
そして、「まずクリアすべきは、細かい経営テクニックよりも『経営マインド』を持つことができるかどうかである」と述べ、オリジナルの「経営マインド」チェックリストを紹介し、読者自身がマインドセットの状態を確認することを勧めています。自分のマインドセットを知り、不足している視点に気づくことが、「経営参画」への第一歩なのです。
■リーダーの資質として重要な「ジェネリックスキル」を磨くことも大切
吉田氏は、「経営マインド」を醸成するのと同時に、組織を運営するリーダーに求められるジェネリックスキルを磨くことも勧めています。一般的なジェネリックスキルとして挙げられるのは、「コミュニケーション力」「チームワーク」「問題発見力」「問題解決能力」「リーダーシップ」等ですが、本書では、特に管理者に必要なジェネリックスキルについて解説しています。
「ヒトのマネジメント」力を高めるとともに、財務管理・戦略策定などのマネジメント力を身に着けるために、本書をぜひご活用ください。
-「看護」2012年10月号「SPECIAL BOOK GUIDE」より –