看護法令要覧
平成26年版
看護業務に欠かせない法律を多数集めた“看護界の六法全書”である『看護法令要覧』。
「保健師助産師看護師法」をはじめ、この1年も実に多くの法律が改正されたり生まれたりしました。本書は、昭和59年より毎年発行しており、最新の法令・通達を掲載して「平成26年版」が完成しました。看護実践の場での活用はもちろん、講義に使う大学などの看護師等学校養成所がますます増えています。
法律関連で困ったとき、手元に1冊あると役立つ書。ここでは、その内容を紹介します。
■看護職にかかわる多くの法律
看護職は実に多くの法律を守り、法律に守られています。これは表裏一体の関係で、法律を守ることで守られてもいるのです。
では、看護職に関係する法律は、一体どのくらいあるのでしょうか? それらの法律すべてに通じていなければならないのでしょうか? 実際、すべてに精通するのは不可能でしょう。
看護職に一番かかわりのある「保健師助産師看護師法」のほかにも、医療法や地域保健法、介護保険法、それに医師法や薬剤師法など、医療現場で協働する関連職種の法律もあって、とてもカバーできません。
しかし、どうしても業務上こうした法律について調べなければならない場合がありますよね。そのようなとき、六法全書に当たってみても、膨大な条文が掲載されていて圧倒されてしまいます。どの条文をどのように見ればよいのかがわからず、途方に暮れてしまったことはないでしょうか。
■看護関連の法律を集約
そこで、役立つのが『看護法令要覧』です。本書は看護に関連する法律を選び出し、看護業務に欠かせない条文を厳選して掲載しているので、どこを見ても活用できる内容ばかりです。
また、どの法律のどの条文を見ればよいのかがわからない場合でも、巻末にある“キーワード索引”を活用すれば、「睡眠」や「メタボ」といった日ごろ使っている言葉からでも、探している条文へ簡単にたどりつけます。驚いたことに、このキーワード索引がついた法律集は本書だけです。
■手間なく法律を理解できる
本書の最大の特色は、法律の各条文のあとに関連する施行令・施行規則の条文が配置されていることです。通常、どの法律集も、法律・施行令・施行規則は別々に掲載されているので、1つの条文を理解するために、あっちのページをめくり、こっちのページをめくり、と面倒なことが多いのです。ところが、本書には1つの条文に対して関連する施行令・施行規則がまとまって掲載されているので、面倒な手間もなく理解することができます。
例えば、キーワード索引で「看護師免許」を調べると、「保助看法第7条」にゆきあたります。この第7条で看護師の免許に関することがわかり、そのあとに載っている「施行令第1条の3」で免許の申請について、またそのあとに載っている「施行規則第1条の3」で免許の申請手続きの具体的な内容を知ることができるのです。
各条文には【参照】欄もあり、何を見ればより理解できるのかを示してくれます。これらの説明は、巻頭にある「本書の特色と使い方」でわかりやすく解説しています。
■法律の基本から解説
法律は国会で採決されます。これに基づいた施行令を政府が政令として公布します。さらに、施行令を受けて各省庁が交付する命令(省令)が施行規則です。
例えば、「保健師助産師看護師法」が法律で、「保健師助産師看護師法施行令」が政令で、「保健師助産師看護師法施行規則」が厚生労働省令になります。
本書では、このような法律の基本構成についても解説しています。
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日本の保健医療福祉の制度を含め、看護職の業務を支えるルールを知ることは大切です。看護の現場・立法・行政・教育面に通暁している第一人者が編集した本書を、ぜひ病棟・施設・学校などに常備し、活用してください。
-「看護」2014年4月号「SPECIAL BOOK GUIDE」より –