【SPECIAL INTERVIEW】あなたの看護職人生が、より幸せなものになるためのヒントが満載です! 40代・50代から考える キャリア後期に向けた看護職人生の組み立て方 資産・生活設計・働き方

濱田 安岐子さん

 

キャリア後期*の看護職が、より自分らしい看護職人生を歩むためには、どのような心構えが必要でしょうか。人生の長さや、働くことに対する考え方が変化してきた今、自分らしく幸せに生きる未来を考えてみませんか? 書籍『キャリア後期に向けた看護職人生の組み立て方』編者の濱田安岐子さんに伺いました。

 

 

■自分らしい“看護職人生”を歩むために

 

――書籍『キャリア後期に向けた看護職人生の組み立て方』が好評発売中です。刊行の経緯を伺います。

 

はじめに、この3年間、パンデミックを乗り越えるために強い使命感で頑張ってくださっている看護職の皆さまに、この場を借りて心より感謝の意を表します。私は臨床から離れて活動する看護職として、看護職が幸せな人生を歩むことのできる社会づくりを自身のビジョンとしています。現代の看護職を支えるバイブルのような1冊になってほしいと思い、本書の企画に参画しました。

 

――濱田さん自身は、看護師や看護教員を経て、キャリアコンサルタントとなったのですね。

 

2006年から看護職のキャリアを支援する面談事業を始めました。キャリア相談に来られる方々は、表現はさまざまであっても「看護すること」を大切にしています。皆さんが自分らしい“看護職人生”を生きていくためのサポートをしてきました。

 

しかし、ここ数年は、キャリアについて考えようとしていたベテランの方々も、コロナ禍に大きく影響され、自分自身が生きていく方向性を考えることすらできない状況が続いています。そろそろ少し、ご自身のことを考える時間をとってもよいのではないでしょうか。

 

――今の話はワーク・ライフ・バランス(WLB)を考えるということでしょうか。

 

WLBというと、自分の時間の100%をワークとライフで分割して、それぞれの割合を考えることだというイメージをもたれるかもしれません。しかし、「看護職としての自分」も生活・人生の一部ですよね。キャリアは生活や人生から分割・分断するものではなく「融合」するものと捉えることができると考え方も柔軟になります。長期的なライフプランを含め、看護職としての生き方と自分らしさを融合させていく感覚をもっていただきたいのです。

 

「看護職としての自分らしさ」は、人それぞれです。例えば、看護を通して深めてきた人生観。生きることの意味を考え、自分がありたい姿を実現するためには、どのような方法が考えられるでしょう。自分の強みは何か。その強みを生かしたら、どんなふうに社会に貢献できるか……などと考えればイメージが広がるのではないでしょうか。

 

■将来の姿をイメージし、キャリアデザインを考える

 

――本書は将来のあり方をイメージする上で、活用できる1冊となりました。

 

そうですね! 本書には、看護職として生きていくことが、より幸せなものになるための手がかりがちりばめられています。自分のありたい姿から、生活設計、健康への備えに至るまでを考えられる構成としました。

 

どの章も参考になる内容をまとめていますが、まずは冒頭の「知りたいことを見つけるためのチェックシート」から考えてみると思考が整理されます。仕事という枠にとらわれず、興味・関心事項や自分の価値観に近い項目をチェックした上で、1章「キャリア後期に向けた看護職人生の組み立て方」に続きます。本章では私から、定年後を見据えたキャリアデザインのヒントをお伝えします。「経験の棚卸し」には本章内で紹介するワークも使えます。

 

2章「キャリア後期のための『資産・生活設計』の考え方」では、仕事と介護の両立支援制度といった組織の制度や、雇用保険、社会保険といった国の制度を始め、生活設計の基本を解説します。

 

3章「キャリア後期のさまざまな活動例」では、10事例(12名)の素晴らしいキャリアデザインをお読みいただけます。病院から特養へ転職した方、地域でボランティア活動をする方、健康支援の講演にかかわる方など、看護職の多様な活動例です。

 

4章「キャリア後期のための備えと情報」では、今からできる健康管理のポイント、そして東京都看護協会によるプラチナナースの就業支援例を紹介します。

 

――「読んでから前向きな気持ちになれた」「3章の活動例が参考になった」という読者の声が届いています。

 

率直な感想を寄せていただいてありがたいですね。活動例は、ご自身のやりたいことを考えていく際のきっかけになるとうれしいです。

 

実は、継続雇用といった形で、病院で活動を続ける方の話も、多く紹介したかったのです。しかし、掲載できる方がなかなか見つからず、1つの病院の看護部長さんに、同院の事例として3名のスタッフを紹介してもらいました。定年後に活動する場合、所属していた病院で看護を続けることが多いでしょうし、実際に継続雇用で活躍している方はたくさんいらっしゃるはずなのですが、現状は書籍に掲載するような話として認識されていないことが残念に思います。

 

――マネジメントを担う立場の方は、どのような発想をしていけばよいでしょうか。

 

キャリア後期のスタッフを受け入れる立場としてだけではなく、ご自身が受け入れてもらうスタッフの立場だったら、どのような職場環境であってほしいでしょうか。管理職として、さまざまなスタッフが互いの強みを生かして活躍できる場づくりをめざしてリーダーシップをとっていただければ、ご自身のキャリアデザインにもつながりますね。

 

■関連研修も始まります!

 

――11月より、本書の内容をベースにしたオンライン研修も開始予定です。

 

講師陣は、本書1・2・4章の執筆者です。まずは私から「あなたの看護職人生をデザインするヒント」の講義をしますので、将来を見据えた看護職人生を考えてみましょう。研修では書籍に掲載していないワークを紹介しましたので、さらに活用いただけます。ご所属組織におけるキャリア研修での活用はもちろん、本研修は個人でもお申し込みできますので、ご都合のよい時間帯に繰り返し視聴して、価値観を整理していくこともおすすめします。

 

続いて、「確認しておきたい『キャリア後期を支える組織の制度・国の制度』」「60歳以降のライフプランに基づいた『生活資金』を考える」と題して、労働条件を検討するために活用できる制度、生活設計を解説します。組織に所属している場合、キャリア後期に関連したさまざまな制度があると思いますので、本研修をきっかけに調べてみましょう。それから、ご自身の健康をマネジメントすることも大切です。「キャリア後期に向けた看護職のセルフケア」についてもお伝えしますので、現在の体調面も振り返ってみてください。

 

本書の3章に相当する内容は、書籍内に登場した皆さんから話していただきたいところではありますが、代わりに私から「事例を通して考えるキャリア後期」の講義で紹介します。

 

各講義内容も、看護職の皆さんにとって大いに参考となるポイントを押さえましたので、本書とオンライン研修をあわせてご覧ください。

 

  エドガー・シャイン(キャリア理論家)によるキャリアサイクルでは40歳以降引退までをキャリア後期と提示。

 

 

書誌情報

看護管理実践Guide
40代・50代から考える
キャリア後期に向けた
看護職人生の組み立て方
資産・生活設計・働き方

 

濱田安岐子 編
●定価2,750円
(本体2,500円+税)
●B5判/144ページ
ISBN 978-4-8180-2545-5
発行 日本看護協会出版会
(TEL:0436-23-3271)

 

[主な内容]

 

●知りたいことを見つけるためのチェックシート

 

●1章 キャリア後期に向けた看護職人生の組み立て方
1 生涯にわたり看護職として社会参加するための準備とは
2 人生や仕事への向き合い方を再構築するキャリア後期のデザイン

 

●2章 キャリア後期のための「資産・生活設計」の考え方
1 確認しておきたい「キャリア後期を支える組織の制度・国の制度」
2 60歳以降のライフプランに基づいた「生活資金」を考える

 

●3章 キャリア後期のさまざまな活動例
1 【ジェネラリストの再雇用】
地域密着型病院におけるジェネラリスト・ナースの経験値の活用
2 【特別養護老人ホームへの転職】
試行錯誤しながらの特養勤務経験
3 【民生委員・児童委員、傾聴ボランティア活動】
地域の身近な相談相手としての活動
4 【リカレント教育の受講、認知症カフェの開催】
学び直しを経て住民の健康相談に寄り添う
5 【認定看護師資格の活用】
「フリーランスの認定看護師」として地域の感染管理に貢献
6 【更年期以降の女性の健康支援】
「女性の一生の健康を支える」を助産師の一生の仕事とする
7 【制度にない新たな事業の創造で看護の原点に回帰】
「横浜こどもホスピスプロジェクト」への参画
8 【看護小規模多機能型居宅介護で地域のケアに携わり続ける】
スタッフのキャリアチェンジも視野に入れて「看多機」を開設
9 【メンタル不調の経験を活かした健康教育】
「働く人の心の健康づくり」をミッションとして起業
10 【異業種へのキャリアチェンジ】
新しいケアの形「福祉美容」への挑戦

 

●4章 キャリア後期のための備えと情報
1 キャリア後期に向けたセルフケア
2 いつまでも輝き続けるプラチナナースへの支援

 

 

[オンライン研修]

 

キャリア後期の看護職人生

―自分らしく幸せに生きる未来を考える

 

◆主な内容・講師:

 

〇あなたの看護職人生をデザインするヒント
濱田安岐子(NPO 法人看護職キャリアサポート代表/国家資格キャリアコンサルタント)

 

〇キャリア後期に慌てないための「資産・生活設計」
1)確認しておきたい「キャリア後期を支える組織の制度・国の制度」
加藤明子(加藤看護師社労士事務所 代表/特定社会保険労務士/看護師)
2)60歳以降のライフプランに基づいた「生活資金」を考える

中林美(フローレンス FP オフィス 代表/ファイナンシャル・プランナー/看護師)
〇事例を通して考えるキャリア後期
濱田安岐子
〇キャリア後期に向けた看護職のセルフケア
松尾玲奈(Wholwell合同会社 代表/保健師/労働衛生コンサルタント)

 

◆公開期間:2023年11月1日(水)~2024年2月1日(木)
◆申込締切:2024年1月10日(水)
◆開催形態:オンデマンド[約120分予定]
◆受講費:33,000円(税込)/1施設

11,000円(税込)/1個人

 

研修の詳細・お申込み方法・サンプル動画は

オンライン研修特設ページにてご確認ください。

 

 

 

看護2023年11月号より

 

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