月刊「看護」の人気連載「看護と人事の協働で実現するWLB」をベースに大幅加筆して再構成した本書。ナースの働き方において永遠のテーマである「夜勤要員確保」に加え、「働き方改革」や「ハラスメント対策」など話題のテーマを取り上げ、現場の生々しいお悩みに回答します。
2018年刊行の姉妹本、『ナースが元気になる人事管理』と併せてご活用ください。
■現場のリアルな「困りごと」から構成
著者である竹中君夫さんは、日本看護協会「地域へのWLB普及推進委員会」の活動をきっかけに、ナースがやりがいをもって働き続けられるための取り組み支援を全国各地で行っています。今や訪問した都道府県看護協会は30を超えるほど。「働き方改革」が話題の今、こうした活動の中で出会った人々に、「ナースの働き方」について困っていること、疑問に思っていることをリサーしたところ、大きな反響が……。本書では、さまざまな立場の方から寄せられた声をもとにテーマを厳選し、25の問い(Question)に竹中さんが回答していきます。
■特におススメしたい「PART2」
現場のリアルな「Q」には、一問一答形式で簡単に答えられないものも多くありました。特に、ナースの働き方を考えるうえで欠かせない「夜勤要員確保」をめぐる対策については、PART2でページ数を割いて詳しく解説しています。ここでは、架空の病院で改革に取り組む人事課長・看護部長と、それを支援する院長のキャラクターを設定することで、内容がより理解しやすくなっています。
また、本書では随所に「成功のポイント(=取り組みのコツ)」「著者からひと言(=人事担当者の本音」)「レポート(=重要テーマの掘り下げ)」のコラムを設けていますのでご参照ください。
■読者の感想と本書への期待
親しみやすい語り口と具体的な資料で好評を博した前著『ナースが元気になる人事管理』には、「現場の声がリアルに表現されていて、読むと気持ちが軽くなります」「経営層・管理職・スタッフが共通認識をもつきっかけにできそう。希望が湧きます!」「マンガのように楽しく読み進められるのに、すごく勉強になります」「ナースの気持ちに寄り添った内容で本当にスッキリします。2作目も楽しみです!」などの感想をいただきました。本書ではさらに読みやすさにこだわり、病院の規模や資金の有無に関係なく生かせるヒントを多数ご紹介していますので、ぜひご活用ください。
ナースが元気になる人事管理
WLB(ワーク・ライフ・バランス)成功メソッド18
竹中君夫 著
●A5判/184ページ
●定価(本体2000円+税)
ISBN978-4-8180-2125-9
日本看護協会出版会
ナースの働き方相談室
看護部も経営者も気になるQ&A25
竹中君夫 著
●A5判/228ページ
●定価(本体2500円+税)
ISBN978-4-8180-2270-6日本看護協会出版会
(TEL:0436-23-3271)
[主な内容]
プロローグ こんなのおかしい! 私は怒っている!
—〝現場〟から寄せられた生の声
Q01 どうして自分勝手な人が得をするの?
Q02 1年契約のナースが冷遇されていいの?
Q03 こんなに大変なのに、どうして夜勤手当が出ないの?
Q04 「ナースが大変!」って本当なの?
Q05 ナース不足というけど、大騒ぎしすぎでは?
PART1 意識しておきたい年代別ピラミッド
—組織の土台を強くする
Q06 職場の雰囲気を知るにはどうすればいいですか?
Q07 どうしてすぐに辞めてしまうの?
Q08 就職するのが不安なんです。
Q09 奨学金制度って、実際のところどうなんでしょうか?
Q10 本当の離職理由を知る方法はないでしょうか?
Q11 働き盛りで病院を辞める人が多すぎる!
PART2 夜勤と育児の両立に効く4つのプログラム
—最大のハードルに挑む桜木課長と赤木看護部長の物語
Q12 WLBなんて、もともと無理だったのでは?
Q13 働き方改革といっても、小規模病院・介護施設・訪問看護など、もともと苦労している施設はいったいどうすれば?
Q14 院内託児所もない、家事代行の補助もない病院では、何ができますか?
PART3 みんなを守るリアルハラスメント対策
—看護部の予防システムが機能すれば多くの悩みが消える
Q15 「パワハラが怖い」と師長や主任が泣いてます。
Q16 パワハラって、いったい全体何なんですか?
Q17 メンタルヘルスの支援は、子育て支援と比較して足りないのでは?
PART4 働き方改革法は〝頑張る人〟を大切にする
—主要テーマが一気に片づく大チャンス
Q18 働き方改革って、看護部に任せるだけで解決しますか?
Q19 働き方改革には、看護部にも協力してもらわないと…
Q20 これまで黙ってましたけど…定年ってどうなんでしょう?
Q21 これまで黙ってましたけど…頑張っている人の報酬が低いなんて、おかしくないですか?
Q22 年金が不足するというニュースを見ますけど、大丈夫でしょうか?
PART5 どんな働き方をしてもエースになれる!
—成功モデルの看護部が大切にするデータ
Q23 配慮してもらったけれど、肩身が狭いんです。
PART6 組織とスタッフの信頼関係は〝定時退勤〟がカギ
—流行の人事制度より残業対策を大切に
Q24 育休から復帰したナースのためと思っていたのに…
エピローグ 専門知識より普通の感覚
—優しい人を大切にするというシンプルな目標で
Q25 気を遣ってくれるのはありがたいけど、私の自由はどこに?
→看護2020年9月号より