訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全
な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会
計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。
利用者未収金の
特徴と管理方法
渡邉 尚之
訪問看護ステーションの医療保険・介護保険サービスの提供における未収金は、大きく2種類に分けられます。1つは前号で取り上げた国民健康保険団体連合会(以下:国保連)等への請求に関するもの、もう1つは個々の利用者が直接支払う利用者自己負担金に関するもの(以下:利用者未収金)です。今回は、後者について解説します。なお、保険外サービスに基づく利用者未収金については、各ステーションの契約等により状況が異なるため、本稿では取り上げません。
利用者未収金の特徴
利用者未収金とは、医療保険・介護保険サービスを受けた利用者が定められた割合に応じて支払う自己負担金額のうち、まだ支払われていないものです。訪問看護ステーションにおいては、自己負担のある利用者であれば、これは必ず発生します。なぜなら、訪問看護サービスでは月初から月末までのサービス提供分を翌月の10日までに集計して請求しており、その請求額が確定するまでは利用者負担金額も確定せず、請求・収受ができないためです。したがって、前回説明した保険請求と同じタイミングで、利用者未収金が発生することとなります。
保険請求との相違点
ただし、利用者未収金には、国保連等への保険請求と大きく異なる点が2つあります。
1つ目は、正しく請求しても利用者の事情等によって必ずしも正しく入金されない(回収できない)ことがある点です。
→続きは本誌で(コミュニティケア2019年1月号)