早いもので今年も残すところあとわずかです。
いつもは忙しくて、本を読む時間も気力もない……という方でも、年末年始は比較的ゆっくり過ごせる、ということもあるかもしれません。
年の初めに、新たな気持ちで「看護の原点」について振り返ってみてはいかがでしょうか。
※これまでの「編集部オススメBOOKs」はコチラ
『看護論―定義およびその実践、研究、教育との関連
25年後の追記を添えて』
著者:ヴァージニア・ヘンダーソン
訳者:湯槇ます、小玉香津子
●A5/144ページ
●定価(本体1,800円+税)
2017年発行 ISBN 978-4-8180-2063-4
その先にあるもの
学生時代に『看護の基本となるもの』を読んだ(読まされた?)方は多いと思います。しかし、ヘンダーソンの他の著書を読んだことがある人はそれほど多くはないかもしれません。
本書の初版は今から半世紀も前に書かれたものですが、そこで指摘されている問題(多職種協働や学際的研究、地域医療の重要性など)は、古びるどころか、現代の大きな課題となっています。「ヘンダーソンは古い」と思っていたあなたにこそ、読んでいただきたい一冊です。
『現代に読み解く ナイチンゲール・看護覚え書き
―すべてのケア提供者のために』
編著:国際看護師協会(ICN)
監修:南裕子
訳者:早野ZITO真佐子(書き下ろし部分)、
小玉香津子、尾田葉子(原書引用部分)
●A5変型/192ページ
●定価(本体2,000円+税)
2011年発行 ISBN 978-4-8180-1622-4
ハイブリッド!
世界で読み継がれるナイチンゲールの『看護覚え書き』(以下:原書)。本書はその刊行150周年記念出版物で、原書からの引用とICNの書き下ろしとが呼応する形で展開されます。
医療のみならず、建築、情報など多分野の発展、並行して生じた自然環境や経済その他の諸問題により、私たちの住む世界は、彼女の時代から大きく変わりました。
原書で示された看護のあり方。本書はその精神を現代に当てはめ実用的に解説すると同時に、彼女の思想の普遍性も証明しています。
『看護の原点を求めて よりよい看護への道』
著者:薄井坦子
●A5/168ページ
●定価(本体1,200円+税)
1987年発行 ISBN 978-4-8180-0198-5
入門として最適の書!
看護を学ぶ人にぜひ身につけてほしい科学的な実践方法論の成り立ちと骨子を、『科学的看護論』の著者である薄井坦子先生が、自らの経験をふり返りながら平易に解説します。著者自身が看護に開眼するまでの経験と、長年の看護教師としての教育実践が、具体的に語られていきます。
実践を通して自らがつかみとるべき看護の原理や、その学びのプロセスを豊かにしていく手がかりを得るための格好の1冊です。
『看護におけるものの見方・考え方』
著者:余善愛
●A5/104ページ
●定価(本体1,400円+税)
2009年発行 ISBN 978-4-8180-1453-4
改めて考えてみよう
著名な看護研究者が大学院生を対象に、看護学において知識が発達・形成されてきた過程を考察し、看護学におけるものの見方・考え方を発展させていくときの基礎となるものをまとめました。
「看護は保健医療における“うまみ”」と著者は言います。うまみとは、味覚の4原則では説明できない第5の味覚のこと。看護がなぜ“うまみ”なのか―多様な知識、伝統、文化に触れ、看護をさまざまな考え方でみることができるようになれば、おのずと答えがわかるのかもしれません。