INR日本版147号(2010年夏号)から始まった連載「@wnursing せかいのつぶやき」を当ページでも配信いたします。
執筆者は本誌で毎号翻訳記事をご担当されている福元ゆみさん。本連載用のTwitterアカウント@wnursingを通じて集めた海外の看護関連情報をご紹介されています。
以下は連載第1回の記事の内容です。第2回以降も追々このページでご紹介していきます。どうぞお楽しみに!
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「Patient Safety」
2010年4月に日本国内の利用者数が1,000万人を超えたTwitter。全世界では現在1億人を超えています。看護分野での活用状況は、日本ではまだ個人レベルに留まる傾向が強いですが、英語圏の国々では病院や大学、看護師協会など、主だった保健医療機関・組織のほとんどがアカウントを所有して情報発信を行っています。
特に、サービスの本拠地アメリカから発せられる情報量の多さには圧倒されるばかりです。アメリカのナースや医療職の人々が、ネット上のオープンな場で活発に情報を発信・共有し、コミュニケーションを図っている様子をリアルタイムで見られます。
Twitterを有効に活用すれば、格段に視野を広げられるだけでなく、同じ意見を持った人々が一体となって社会にアピールしていく強力な手段にもなり得ると感じています。ここでは、そんな「せかいのつぶやき」のひとかけらをピックアップしていきます。
というわけで、今回は本誌特集のテーマ「Patient Safety」関連のアカウントを集めてみました。
IHI(医療の質改善研究所 : The Institute for Healthcare Improvement)のアカウントです。Twitter歴約2カ月半 、フォロアー 345人、30のリストに入っていて、投稿ペースは約0.4件/日。開設後まだ日が浅く、ツイート数は29で、ウェブサイトやfacebookの情報をツイートしているようです。6月8日には、2010年12月開催予定の全国フォーラムへの参加予約を促すツイートがありました。
「参加費用の節約法をお探しですか? 節約プランならIHIのサイトをチェック」
2008年のタイム誌「最も影響力ある100人」に選ばれたPeter Pronovost氏(本特集p.40の共著者)のアカウントです。Twitter歴約7カ月、フォロアー 337人、 42のリストに入っていて、投稿ペースは約0.5件/日。5月はお忙しい時期だったらしく、ツイートは少なめでした。
Facebookからも時々投稿されているようです。4月20日には「チェックリストは命を救えると言う人がいる。そういう人は仕事が遅れがち。目標はケアの質の向上であって生産性の向上ではない」、5月16日には「チェックリストを使うつもりだと言うのは簡単だが、実際に感染を減らすのは非常に難しい」というツイートがありました。Pronovost語録ができそうです。
The Joint Comissionのアカウント。Twitter歴約 1年、フォロアー 1,573人、110のリストに入っていて、投稿ペースは約0.7件/日です。ウェブサイトとの連動ツイートの他、ネット上の関連記事を紹介しています。
なかには著名な司会者Oprah Winfreyのサイトをリンクしたツイート「子どもへの投薬に関する今日のOprah.comのブログ。書いたのは”The Smart Parent’s Guide”の著者Dr. Jennifer Trachtenberg」や、「患者が受ける危害との戦いに勝利している? ディスカバリー・チャンネル・ドキュメンタリーは私たちの奮闘を見ていた」(残念ながら日本は視聴地域外)といったツイートもありました。
救急看護師協会(ENA)のアカウントです。Twitter歴約1年2カ月、フォロアー444人、16のリストに入っていて、投稿ペースは約0.6件/日。患者の安全と救急看護の実践に関する情報を発信していて、ほとんどFacebookから投稿しているようです。6月4日と5日にJC(ジョイント・コミッション)関連のツイートがありました。
「JCがヘルスケア施設における暴力の医療安全上の警鐘事例(Sentinel Event Alert)を問題視。施設がナースにふりかかる危険を考えるきっかけになるのか?」
ヘルスケア関連職を対象にしたフリーの学習・情報共有オンラインサイト、Clinical Caféを運営するJohn Novack氏のアカウントで、Twitter歴約11カ月 、フォロアー717人、67のリストに入っていて、 投稿ペースは約4.5件/日です。Patient Safetyに熱心な方とお見受けします。
この方をフォローしていると、もしかしたら<複数の組織アカウントフォロー+google検索>に優るPatient Safety情報が入ってくるかもしれません。6月8日には「ジョイント・コミッションは遠隔医療基準の実施を2011年3月まで延期:メディケア&メディケイド・サービスセンター(Centers for Medicare & Medicaid Services:CMS)との調整が必要 」というツイートがありました。
(147号, p.51, 2010.より。※リンク先は本誌掲載当時)