地域ケアの今(23)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

介護相談員から見た

介護現場の不適切ケア

文:鳥海房枝

 

2017年3月、特定非営利活動法人地域ケア政策ネットワーク介護相談・地域づくり連絡会が、平成28年度老人保健事業推進費等補助金で行った「身体拘束及びグレーゾーン・不適切ケアに関するアンケート調査」の結果をまとめました。

 

高齢者ケア施設での虐待は、事件としてマスコミの報道によって表面化します。ところがこの調査研究では、“不適切ケア”の積み重ねが虐待や身体拘束に至るとし、この構造を虐待・身体拘束、グレーゾーン行為(非意図的虐待・非意図的身体拘束)、不適切ケアと、図のように位置づけています。また、アンケート調査の対象を介護相談員としたことも大きな意味があると考えます。なぜなら介護相談員は決まった事業所を定期的に訪問し、利用者・職員と顔馴染みになっており、現場の普段の介護をより客観的な立場で見ている貴重な存在だからです。今号では、「介護相談員派遣等事業」と「介護相談員」について概説した上で、アンケート調査の結果から見えてきたことを紹介します。

 


【オススメ書籍Special】 日野原重明先生からのメッセージ

去る7月18日、日野原重明先生がご逝去されました。105歳でした。

 

日野原先生は、2000年から2014年までの長きにわたり、弊社の代表取締役社長として、ご尽力くださいました。

また出版活動に精力的に取り組まれ、書籍に雑誌に、数多くのメッセージを残してくださいました。

 

今回はオススメ書籍Special版として、日野原先生が弊社で出された本をご紹介いたします。

 

日野原先生はナースの役割を高く評価し、「これからは看護の時代」と、いつもナースに熱いエールを送っていらっしゃいました。

改めて先生の“言葉”を振り返り、明日への活力にしていただけたらと思います。

 

 

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SPECIAL BOOK GUIDE 退院した患者の行き先は、自宅・施設だけじゃない!「コミュニティケア」2017年6月臨時増刊号 『新たな制度を生み出すコンセプト「まるごとケアの家」の展開』が刊行

病院を退院した患者は「どこへ」行くのでしょうか? 転院、特別養護老人ホームなどの介護保険サービスの施設、そして自宅が、まず思い浮かぶと思います。しかし、今、地域では新たな“場”への取り組みが始まっています。それが「まるごとケアの家」——そこは制度にとらわれず、どんな人でも受け入れてケアをする場です。患者・家族を看護職・介護職だけでなく、地元の人も加えた緩いつながりで“まるごと”受け入れてケアをする家なのです。
訪問看護師や高齢者施設のナースのための専門誌「コミュニティケア」の2017年6月臨時増刊号では、「まるごとケアの家」について詳しく紹介しています。

 

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SPECIAL INTERVIEW「思考力を伸ばす」とは すべての看護師に伝えたいこと

 

阿部 幸恵さん
東京医科大学医学部看護学科/
大学病院シミュレーションセンター 教授
防衛医科大学高等看護学院卒業。循環器、救命救急、高齢者施設、保育園で臨床を経験。1997年からの9年間は大学および大学院に在籍し、小学校教員免許、児童学博士を取得。2006年以降、全医療者・医療系学生対象のシミュレーション教育に携わる。2011年琉球大学医学部附属病院地域医療教育開発講座准教授、2012年同講座教授およびおきなわクリニカルシミュレーションセンター副センター長、2014年東京医科大学病院シミュレーションセンターセンター長を経て、2017年より現職。

これからの臨床には“自分の頭で考え実践できる”看護師が必要との思いから、『新人・学生の思考力を伸ばす指導』を上梓した阿部幸恵さんに、教育/指導に関する現状の課題や、看護師の思考・行為を言語化する重要性についてうかがいました。


【今月のオススメ書籍】 休日は”家でのんびり読書”という方へ

 

夏休みの時期ですね。大学や企業はお盆の時期に一斉休暇というところも多いようですが、病院や医療施設、訪問看護ステーションの場合は、スタッフが順番に休暇をとることが多いかもしれません。

 

お盆に里帰りする人、まとまった休みをとって旅行する人、普段忙しいので休みの日くらい家でのんびりしたいという人など、休暇の過ごし方は様々だと思います。

 

そこで今月のオススメ書籍は、休日は“家でのんびり”派の方へ、読書へのお誘いです。どの本もハンディなサイズで、肩肘張らずに手軽にお読みいただけます。

 

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