訪問看護ステーションの経営戦略(21)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

消費税引き上げと訪問看護ステーション経営

渡邉 尚之

 

 

今年10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられたことに伴い、診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬が改定されました。それぞれの改定率は+0.41%・+0.39%・+0.44%です。

 

これまでにも消費税増税時にはこれらの報酬についてプラス改定が行われてきました。消費税と報酬改定の関係は、医療・介護業界において重要なテーマです。そこで今回は、報酬等と消費税の関係について解説します。

続きを読む…

アンガーマネジメント(8)

怒りの感情と上手に付き合う手法“アンガーマネジメント”を看護職が医療・介護現場で生かすための、基礎知識と看護実践への活用のポイントを解説します。

 

 

権利・欲求・義務を区分して適切な対応を考える

光前 麻由美

 

 

今回は、これまで紹介してきたアンガーマネジメントのテクニックを看護実践の中で応用する方法について、訪問看護計画書に予定されていない頼みごとが増えた利用者への対応のケースを基に考えてみます。なお、事例はあくまでもアンガーマネジメントの観点から考えることを目的に状況設定しており、実際の在宅ケアの場面とは異なる部分がある可能性があります。ご了承ください。

 

先月号(「コミュニティケア」9月号)までに、私たちは「こうするべき(はず)」という理想と現実との間にギャップがあるときに怒りを感じることを説明しました。そして、その出来事は自分にとって許容できる範囲のものか、許容できない範囲のものかを三重丸による“「べき」の境界線”によって考えるテクニックを紹介しました。許容できる範囲にあることは自分にとって怒らなくてよい、こだわらなくてもよいことです。では、許容できない範囲のことに対してはどう対応すればよいのでしょうか。優先度や具体策を考えてみましょう。

 

依存的になった利用者Aさん

 

Aさんは80代の男性。妻と死別し、1人暮らしです。高血圧で内服治療をしています。以前は自転車で買い物に行くなど元気に生活していましたが、あるとき外出先で転倒し、左大腿骨頸部を骨折して手術を受けました。術後の経過は良好で、杖は必要なものの自分で歩行できるようになりましたが、正座できなくなったため、座卓からテーブルと椅子を利用する生活になりました。

 

Aさんには結婚して別世帯で暮らす娘が2人おり、隣の市に住む長女は時々Aさんの様子を見に訪れますが、仕事をしており頻繁には来られません。長女は高齢の父を心配し、退院後、一緒に住むことも提案しましたが、Aさんは「まだ娘に迷惑をかけたくない。もう少し住み慣れた自分の家にいたい」と希望しました。そこでケアマネジャーに相談し、訪問看護を導入することとなりました。

 

訪問看護は週1回、1回当たり30分で、訪問看護師は服薬の確認と入浴介助を行います。ある日、訪問看護師のBさんは、入浴介助後、Aさんに水分補給として冷蔵庫にあった麦茶を飲んでもらいました。飲み終わった後にコップを片づけようとしたところ、Aさんに「流しにあるほかのコップも洗ってほしい」と言われました。Bさんの働く訪問看護ステーションでは、約束事として、訪問時に使用した物は片づけますが、それ以外の物には触らないことになっています。ところが、それを断ろうとするとAさんの表情が険しくなりました。

 

続きを読む…

SPECIAL BOOK GUIDE 『「JNAラダー」活用ガイド』刊行! 全看護師に求められる「4つの力」の開発・育成に向けて

日本看護協会が2016年に公表した「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」(以下、「JNAラダー」)は、すでにご存知の方も多いことでしょう。本書は、「JNAラダー」を導入・活用する際のプロセスがわかるよう、多様な組織での事例を詳しくご紹介するとともに、日本看護協会のホームページで公開中の「活用のための手引き」を全文掲載した利便性の高い書籍となっています。

続きを読む…

【編集部オススメBOOKs】vol.46 秋の夜長は読書! という方にオススメの4冊

 

秋の夜長はじっくり読書にいそしみたい。

そんな方々にオススメの「読み物」系書籍をセレクトしました。

 

 

※これまでの「編集部オススメBOOKs」はコチラ

 

訪問看護ステーションの経営戦略(20)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

 

紹介手数料が
経営に与える影響

渡邉 尚之

 

 

訪問看護ステーションの
スタッフ採用事情

 

訪問看護ステーションは慢性的な人材難です。看護職を採用しようとハローワークや新聞広告に求人情報を出してもなかなか応募がないというステーションも多いのではないでしょうか。

訪問看護ステーションの採用戦略には、上記以外に自ステーションのウェブサイトへの採用ページの開設や、給与体系の充実、勤務時間の柔軟化、さらには新卒採用を見込んだ看護学校への訪問や実習生の受け入れ、スタッフや知人の紹介に頼るなど、さまざまな方法が考えられます。また金銭的なインセンティブを設けるステーションもあります。私の知る中では、入職祝金の支給や、ステーションスタッフが知人の看護職を紹介した場合にそのスタッフへの謝礼金と入職者への祝金を支給しているケースなどがあります。

 

 

続きを読む…