地域ケアの今(38)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

 

“看護の核となる力”を持ち、

変幻自在に看護を提供する専門職に!

文:上野まり

 

9月8日に、「千葉看護学会第24回学術集会」が開催されました。テーマは「看護が挑むソーシャルイノベーション」で、学術集会長は訪問看護ステーション管理者の奥朋子氏でした。私は訪問看護ステーション管理者が学術集会長を務めることに興味を持ち、参加しました。

 

住民の健康や安心・安全な暮らしを

守るために

 

奥氏は保健師・助産師・がん看護専門看護師などの資格を持ち、大学病院の看護管理職としてキャリアを積み上げたベテラン看護師です。住民が患者となってからではなく、健康なときから予防的視点でかかわり、一緒に健康維持・向上をめざしたいと考え、訪問看護ステーションを立ち上げたとのことでした。こうした経歴を持つ看護師の訪問看護界への参入は、新しい風を吹き込んでくれる予感を感じさせ、素敵なことだと思いました。

 

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特別寄稿 特養あずみの里裁判① 事件の概要と裁判の経過

 長野県にある「特別養護老人ホームあずみの里」で、提供されたおやつを食べた女性入所者が意識を失っているところを発見されました。女性は救急搬送され、意識が戻らないまま病院で亡くなりました。この出来事は、現在、刑事事件として訴追されています。本稿では、裁判の経過を4回にわたって報告します。

 

 

刑事裁判となった出来事

 

社会福祉法人協立福祉会「特別養護老人ホームあずみの里」(以下:特養あずみの里)は、雄大な北アルプスの山並みが一望できる自然豊かな信州・安曇野の田園地帯の中にある施設で、2002年5月に開設されました。

特養あずみの里では、師長を含め看護職6人、介護職23人の体制で、定員65人の利用者をA、B、Cの3つのチームに分けて、食事・排泄・入浴等の介護に当たってきました。

2013年12月12日午後3時20分ころ、特養あずみの里のCチームの食堂で、おやつとして提供されたドーナツを食べていた85歳の女性入所者(Kさん)が、ぐったりして意識を失っているところを、遅れて食堂に入ってきた介護職が発見しました。

 

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訪問看護ステーションの経営戦略(10)

訪問看護ステーションの管理者が地域のニーズを的確に捉えて健全

な経営を行い、その理念を実現するために行うべきことを、公認会

計士・税理士・看護師の資格を持つ筆者が解説します。

給与の正しい知識を
身につけよう(後編)

渡邉 尚之

 

 

給与等と資金繰り

 

訪問看護ステーションの経営に不可欠な給与についての知識の後編として、今回は資金繰りに関する留意点を解説します。

 

訪問看護ステーションを経営する上で、最も大きな支出は看護職をはじめとするスタッフに支給する給与等(給与・賞与)です。給与等の仕組みや支出のタイミングを正しく理解していなければ、給与等に関する多額の支払いが必要となる月などに必要な資金を用意できず、資金不足に陥る危険があります。

 

そこで、本稿では給与等の基本的な仕組みと留意点、事業主の負担を確認するとともに、モデルケースを用いてそれらの支払いのスケジュール・金額を示します。

 

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地域ケアの今(37)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

福祉領域における第三者評価

文:鳥海房枝

 

今回は福祉領域における第三者評価について読者の皆さまに理解を深めてもらいたいと考え、東京都における第三者評価の仕組みを中心に、その概要を紹介します。

 

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地域ケアの今(36)

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

 

 

SDGsについて考える

文:上野まり

 

最近は、新聞をとらない人が増えているようです。私は子どものころから新聞がある生活を送っており、大人になってからは、仕事に行く前に朝刊の大きな見出しの記事や天気予報に目をとおし、帰宅してから朝刊・夕刊をざっと斜め読みすることが習慣になっています。そんな私にとって新聞のない生活は考えられません。新聞はさまざまな情報を毎日提供してくれて、時折、とても興味深い記事に出会うことがあります。先日もそんな記事を見つけました。

 

SDGsを自分事として捉える

 

仕事で公衆衛生関連の情報をインターネットで調べていたときに、「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals、以下:SDGs)を知りました。2030年までに誰もが住みやすい世界をつくろうと、2015年に国連で採択されたものです。

 

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