トシコとヒロミの往復書簡 第17回

本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

井部俊子さんから川越博美さんへの手紙

賢い消費者を増やそう

文:井部俊子

 

この記事が読まれるころには、2017年ももう最初の1カ月が終わっているでしょう。どうしてこんなに早く時が過ぎていくのでしょうか。と、ここまで書いて、そういえば以前に『なぜ年をとると時間の経つのが速くなるか 記憶と時間の心理学』(ダウエ・ドラーイスマ, 鈴木晶訳, 講談社, 2009.)という本を購入したことを思い出し、本棚から取り出して開いてみました。

 

フランスの心理学者ピエール・ジャネは、1877年に1年の見せかけの長さはその人の人生の長さと関係があると提唱しました。つまり10歳の子は1年をこれまでの人生の10分の1として経験し、50歳の人は50分の1として経験するというのです。

続きを読む…

【今月のオススメ書籍】 インフルエンザ、ノロウイルス等のアウトブレイクを防ぐ!―感染対策関連本

今シーズンのインフルエンザは例年よりも流行の開始時期が早く、悩まされた方も多いと思いますが、ようやくピークを超えつつあるようです。とはいえ、まだまだ警報レベルの地域も多く、油断は禁物です。

 

一方、ノロウイルスによる感染性胃腸炎の流行は終息に向かっているようですが、高齢者施設などでウイルス感染が発生すると一気にアウトブレイクにつながるため、感染対策は常に必要です。

 

そこで、今月のオススメ書籍は「感染対策関連本」。正しい対応で施設内のアウトブレイクを予防しましょう。

 

続きを読む…

地域ケアの今⑯

福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。

プロセスを丁寧になぞると、

期待される看護が見えてくるかも?

文:上野まり

 

大昔、私が看護師になったばかりのころ、いや、看護学生のころから「看護過程」には悩みながらも慣れ親しんできて数十年がたちます。未熟なまま過ごしてきたにもかかわらず、それを棚に上げて大学や研修会で、看護過程について教授しているのはなんともお恥ずかしい限りです。
研修会などで出会うベテラン看護師の中にも、未だに看護過程に対する苦手意識が拭えない人は多いようです。看護師という専門職だからこそ最も得意としなければならないはずなのに、なぜこんなに難しいのか……と常々思っています。
 
訪問看護に求められているのは何か
 
先日、「訪問看護過程の展開」をテーマにした研修会に講師として参加しました。研修会では、1つの事例を用いて参加者全員で看護過程を展開することになりました。事例は架空の50代男性A氏。A氏は脳血管疾患の後遺症を持ち、要介護5の寝たきり状態で、複数の医療処置を受けており、今後も自宅で家族と一緒に生活することを希望しているという設定でした。

続きを読む…

トシコとヒロミの往復書簡 第16回

本連載では、聖路加国際大学大学院看護学研究科特任教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。

川越さんイラスト

川越博美さんから井部俊子さんへの手紙

病院スタッフの“地域へつなぐ力”
文:川越博美

 

看護が、政策や制度の作成にかかわる必要性について、井部さんの考えにまったく同感です。また、看護に関連する制度はやはり厚生労働省や日本医師会・日本看護協会などが中心になって動かしているのだと再確認しました。私たち現場にいる者は、療養者や家族の思いに沿ったケアを提供できるよう、制度改革の必要性を訴えます。半面、制度設計者とどのようにコンタクトをとり、物申す機会をつくっていくかは、依然として課題です。
続きを読む…

病院のナースに、ぜひ読んでほしい! 「コミュニティケア」2016年11月臨時増刊号 『よりよい療養支援のために 「生活を支える看護」を考える』が刊行

「病院は忙しすぎて、退院する患者の“生活”が見えにくいのでは?」と感じているナースは多いと思います。では、患者・利用者の「生活」とは、どのようなもので、どう支えていけばよいのでしょうか? そして、なぜ病院では“見えにくい”のでしょうか?

訪問看護ステーションや特別養護老人ホームなど“地域”のナースのための専門誌「コミュニティケア」の2016年11月臨時増刊号では、今まで漠然と使われてきた患者・利用者の「生活」について、訪問看護師や高齢者ケア施設などのナースが密につながっている「生活を支える看護師の会」のナースたちの実践報告を基に考えていきます。

続きを読む…