看護の質を向上させるために、教育・臨床現場を変える制度・政策の成立過程を知り、参画することが、看護職者1人ひとりに求められています。
本書では、政策過程を初めて学ぶ看護職者でもわかりやすいように、看護制度・政策の基本的知識、政策過程の実際、参画方法を丁寧に解説しています。看護職者はもちろん、看護学生の学習にもご活用いただけます。
本書の内容をご紹介します。
看護の質を向上させるために、教育・臨床現場を変える制度・政策の成立過程を知り、参画することが、看護職者1人ひとりに求められています。
本書では、政策過程を初めて学ぶ看護職者でもわかりやすいように、看護制度・政策の基本的知識、政策過程の実際、参画方法を丁寧に解説しています。看護職者はもちろん、看護学生の学習にもご活用いただけます。
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認知症をもつ人がたどる経過や生活の変化に応じた専門職の役割・動きを捉えるため、本書の著者らは数回にわたる多職種カンファレンスを実施しました。それぞれが「点」でかかわるケアを俯瞰的に眺めたとき、看護職にはどんな課題が浮き彫りになるのでしょうか。
本連載では、聖路加国際大学名誉教授の井部俊子さんと、訪問看護パリアン看護部長の川越博美さんが、往復書簡をとおして病院看護と訪問看護のよりよい未来を描きます。さあ、どんな未来が見えてくるのでしょう。
起業
文:井部俊子
ご無沙汰しています。といっても、毎月1回はこの往復書簡であなたと往来していることになるのですが。今回は私の近況報告をしたいと思います。
私は、2017年3月末で聖路加国際大学を退職いたしました。大学には14年間在籍していました。最初の1年間はただの教授でした。2年目から3期(12年間)、学長をいたしました。学長在任中に65歳を迎えたので、正確にいうと、前半は学長・教授でしたが、後半は学長専任でした。最終年の1年間は特任教授でした。
福祉現場をよく知る鳥海房枝さんと、在宅現場をよく知る上野まりさんのお二人が毎月交代で日々の思いを語り、地域での看護のあり方を考えます。
介護現場ではやりの言葉遣い
文:鳥海房枝
医療現場で患者に「様」をつけて呼称することについての議論が始まったのは、「厚生白書」で医療がサービス業であると明言された1995年ごろからです。サービス業なのだから患者をお客様と捉え「様」をつけるべきという考え方がありました。そして2001年、「国立病院・療養所における医療サービスの質の向上に関する指針」で「患者の呼称の際、原則として『さま』を付すことが望ましい」という内容が示され、多くの病院がそのようにしました。つまり、国が患者を様づけで呼ぶよう求め、全国に広がっていったのです。当時、この状況に私は強い違和感を覚え、東京都看護協会の地区支部役員会でそれを話題にしました。すると、ある公立病院の師長は「患者に丁寧な対応をするようになるので意味がある」と言いました。
その後、現場で働く医療関係者はもとより、当事者である患者にも「様」呼称について調査が行われました。その中で大変興味を引かれたのが、様づけで呼ばれることに対して患者の肯定的な回答率が低く、「違和感がある」「よそよそしい」「日本語としておかしい」といった否定的な意見が多くあったことです。そして現在は、あえて「様」から「さん」に戻した医療機関、直接患者に接するスタッフは「さん」、窓口対応は「様」と使い分けている医療機関、一律に「様」呼称している医療機関などに分かれています。
普段、看護職として仕事をしているとき、多くの人は法律について特別意識することなしに行為を行っていると思います。
「法律」というと、何となく堅苦しく、自分には関係ないものと思いがちかもしれません。でも、実際には看護業務は多くの法律や制度によって支えられているのです。
この機会に改めて看護職者の責務を確認・認識し、教育や実践の場で活用してみてはいかがでしょうか。
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