臨床倫理とは、医療者が患者固有の人生に関心を持ち、その人にとっての“最善”を考えること

 

「倫理」と聞くと“難解なもの、敬遠したいもの”と感じる人も多いようですが、医療者は日々のケアの中で倫理的問題に対応しています。「患者さんにとって少しでもよい道を見いだそう」と努力していく中で、さまざまな困難な問題にぶつかり、どうしたらよいかと迷うこともあるでしょう。

医療者はどのように患者を尊重し、その人らしい生き方ができるようにサポートしていけばよいのでしょうか。

 

弊社刊『臨床倫理ベーシックレッスン』は、臨床現場でよく遭遇する身近な事例について、皆で考え、迷った記録です。

 

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〈新刊情報〉「爪のケア」事件とは何だったのか。★書籍内容の一部を公開中!

2007年6月、北九州市の某病院で看護師が高齢の入院患者の爪をはがす虐待があったと報道され、その1ヵ月後、虐待をしたとされる看護師が起訴されました。

 

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『「爪のケア」に関する刑事事件ー経緯と支援の実際ー』内容紹介(その1)

はじめに(日本看護協会常任理事 福井トシ子)


「『爪のケア』に関する刑事事件」は、 2007 年 6 月から 3 年以上にも及び、 2010 年 9月にようやく結審しました。これまでの日本看護協会(以下、本会)の取り組みや支援方法、また看護職賠償責任保険制度の一環である、サービス推進室の取り組みや支援方法について、関係者ヘ報告するとともに、日本看護協会機関誌「看護」でも 2011年3 月号に特集をしました。

 

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『「爪のケア」に関する刑事事件ー経緯と支援の実際ー』内容紹介(その2)

日本看護協会の活動と見解:職能団体としての役割と支援の実際から

(日本看護協会常任理事 福井トシ子)

 

2007年 6月下旬、北九州市所在の病院で、看護師(以下、当該看護師)が高齢の入院患者の爪をはがす虐待があったと報道された。7月に当該看護師は逮捕され、「傷害罪」で起訴された。 2009年 3 月 30 日、福岡地方裁判所小倉支部は、当該看護師の行った爪切り等を「傷害罪」として、「懲役6月執行猶予 3年」の有罪判决を言い渡した。

 

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『「爪のケア」に関する刑事事件ー経緯と支援の実際ー』内容紹介(その3)

「『爪のケア』に関する刑事事件」の事件報道と日本看護協会の広報活動(日本看護協会 広報部) 


「『爪のケア』に関する刑事事件」では、当該看護師の行為が適切なケアだったにもかかわらず、マスコミからは「爪はがし」などの報道が相次いだ。

 

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