特別寄稿

今年、介護保険制度は施行から20年を迎えました。「介護の社会化」の実現に向けて創設されましたが、実際はどうでしょうか。上野千鶴子さんは3年ごとの改定により後退していると指摘します。本稿では、介護保険の歴史を振り返りながら、政府の思惑や制度の欠陥、利用者・事業者の負担などの課題と今後について解説いただきます。

 

 

 

 

上野 千鶴子

うえの ちづこ

認定特定非営利活動法人ウィメンズアクションネットワーク 理事長

東京大学 名誉教授 社会学者

 

筆者略歴

京都大学大学院社会学博士課程修了。1995〜2011年東京大学大学院人文社会系研究科教授など、国内外の短大・大学・大学院・研究機関で教育と研究に従事。専門は女性学、ジェンダー研究。同分野のパイオニアであり、指導的な理論家の1人。高齢者の介護問題にもかかわっている。最新刊『しがらみを捨ててこれからを楽しむ 人生のやめどき』(樋口恵子と共著、マガジンハウス、2020年)ほか、著書多数。

 

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介護保険の後退を許さない!

20年を迎えて考える制度の課題と今後

 

介護保険は今年で20歳になりました。成人式をすがすがしい気持ちで祝うことができないのは、生まれてこの方、3年の改定ごとにいじめを受けて“被虐待児”だと言われているからです。

 

介護保険制度を後退させる政府のシナリオ

 

介護保険法が成立したときに、これでようやく日本も「介護の社会化」に向けて大きな一歩を踏み出したと希望を持ちました。「介護の社会化」とは「脱家族化」の意味でもあります。それまで介護の公的支援を受けられなかった中流家庭の高齢者も利用できるようになり、おひとりさまの私は、まるで私のためにできたような制度だと思ったほどです。介護保険制度はいろいろな欠陥が指摘されましたが、運用しながら少しずつ改善していけばよい、と関係者の多くが考えていました。それがどうでしょう。最初の改定から後退の一途をたどっています。これは、読者の皆さんもご存知のとおりです。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2020年11月号)


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