SPECIAL BOOK GUIDE Nusing Todayブックレット 10・11月刊行の3冊

「Nusing Todayブックレット」は、看護やケアをめぐり社会で何が起きつつあるのかに注目し、編集部員のさまざまな問題意識(=テーマ)を簡潔かつ幅広く発信していく新しい媒体です。2019年6月の第1弾『患者の「賢い選択」を支える看護』から始まり、2020年11月までに8冊を刊行しました。今月は、10・11月に刊行した3冊の内容をご紹介します。

 

 

これまでのシリーズラインナップ

 

患者の賢い選択を支える看護 —Choosing Wisely

無痛分娩と日本人 —Painless Childbirth

子どもを虐待から護る —Child Abuse & Neglect

「聞こえにくい」をほっとかない —Check your hearing!

一般教養としての「看護学概論」 —Introduction to Nursing

 

 

 

  06「生きるを支える」リハビリテーション

── Total Restoration of Human Rights

 

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上田敏 語る/三井さよ 訊く

●A5判 64ページ

●定価(900円+税)

ISBN 978-4-8180-2281-2

 

全人間的復権をめざして。

日本のリハビリテーション医学の第一人者である上田敏氏。その思想の形成過程と内実について、障害者支援に関わる三井さよ氏(法政大学社会学部教授)が鋭く迫ったロングインタビュー。生活モデル化・地域包括ケア化が進む現代社会において、医療に「生活」と「人間」の豊かな像を持ち込んだ上田氏の思想を振り返ることは、リハビリテーションを担う全ての人が今後の専門職としての課題を見定める上で大きな意義があります。

 

内容 

全人間的復権としてのリハビリテーション

ICIDHからICFへ

インフォームド・コンセントから

インフォームド・コオペレーションへ

障害の受容

リハビリテーション医学の評価

 

 

 

 

 

07多職種でコロナの危機と向き合う

── COVID–19 Pandemic

 

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梶原絢子 編

●A5判 64ページ

●定価(900円+税)

ISBN 978-4-8180-2283-6

 

自治医科大学附属さいたま医療センターからの現場報告。

新型コロナウイルス感染症がもたらした歴史的な災禍の中、行政と地域・他の機関と連携しつつ重症度別の対応が求められる病院では、国の政策と患者の動向を注意深く捉え、フェーズを見極めなければなりません。こうした危機に際し最も重要なのは、普段からの医療・看護の基盤として、多職種・多部門が連携し知恵を出し合うこと、そして各々の医療従事者の情報リテラシーやレジリエンスの力です。本書ではこれらの実例を、自治医科大学附属さいたま医療センターでの現場報告で示します。

 

内容 

診断と治療および管理  感染管理

看護ケア  理学療法

倫理的課題  看護管理  看護教育と看護のあり方

 

 

 

 

 

透析治療と意思決定

── Dialysis Treatment

 

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Nursing Todayブックレット編集部 編

●A5判 56ページ

●定価(900円+税)

ISBN 978-4-8180-2287-4

 

本人にとっての最善を考える。

血液透析の中止を選んで亡くなった一人の患者の報道から、透析治療とその選択について、医療者側と患者側の認識に大きな隔たりがあることが明らかになりました。本書では、長きにわたり透析医療に関わってきた医師と看護師の立場から、透析治療の選択における基本的な考え方を示すとともに、患者との関わりの中で医療者が抱くそれぞれの思いも語っていただきました。また、透析治療の現場における調査と実践から、患者にとっての最善をどう支えるかを考察します。

 

内容 

透析の「見合わせ」をめぐる患者と医療者の「隔たり」

認知症高齢者における血液透析の「開始」と「見合わせ」

医師として考える透析の「見合わせ」

がん末期での透析治療の選択〜緩和ケアチームのかかわり

看護師が大切にする透析患者へのかかわり

 


【Book Selection】今月のテーマ: 今あらためて知識を深めたい認知症ケア

当社おすすめ書籍を、新刊・既刊・古典織り交ぜてご紹介!!

 

現場で認知症患者に接することが多い人だけでなく、

皆さんにオススメの書籍です。

 

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特別寄稿

今年、介護保険制度は施行から20年を迎えました。「介護の社会化」の実現に向けて創設されましたが、実際はどうでしょうか。上野千鶴子さんは3年ごとの改定により後退していると指摘します。本稿では、介護保険の歴史を振り返りながら、政府の思惑や制度の欠陥、利用者・事業者の負担などの課題と今後について解説いただきます。

 

 

 

 

上野 千鶴子

うえの ちづこ

認定特定非営利活動法人ウィメンズアクションネットワーク 理事長

東京大学 名誉教授 社会学者

 

筆者略歴

京都大学大学院社会学博士課程修了。1995〜2011年東京大学大学院人文社会系研究科教授など、国内外の短大・大学・大学院・研究機関で教育と研究に従事。専門は女性学、ジェンダー研究。同分野のパイオニアであり、指導的な理論家の1人。高齢者の介護問題にもかかわっている。最新刊『しがらみを捨ててこれからを楽しむ 人生のやめどき』(樋口恵子と共著、マガジンハウス、2020年)ほか、著書多数。

 

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介護保険の後退を許さない!

20年を迎えて考える制度の課題と今後

 

介護保険は今年で20歳になりました。成人式をすがすがしい気持ちで祝うことができないのは、生まれてこの方、3年の改定ごとにいじめを受けて“被虐待児”だと言われているからです。

 

介護保険制度を後退させる政府のシナリオ

 

介護保険法が成立したときに、これでようやく日本も「介護の社会化」に向けて大きな一歩を踏み出したと希望を持ちました。「介護の社会化」とは「脱家族化」の意味でもあります。それまで介護の公的支援を受けられなかった中流家庭の高齢者も利用できるようになり、おひとりさまの私は、まるで私のためにできたような制度だと思ったほどです。介護保険制度はいろいろな欠陥が指摘されましたが、運用しながら少しずつ改善していけばよい、と関係者の多くが考えていました。それがどうでしょう。最初の改定から後退の一途をたどっています。これは、読者の皆さんもご存知のとおりです。

 

→続きは本誌で(コミュニティケア2020年11月号)


特別寄稿

メディアなどで安楽死に関する事件や話題が上るたび、安楽死・尊厳死に対する議論がされてきました。しかし、川口有美子さんは「難病や重度の障害のある人に対し、なぜ『死ぬ権利』ばかり提示されるのか」と指摘します。ALSの母親を12年介護した後、訪問介護事業所とピアサポート団体を設立し、多くの障害のある人とかかわってきた川口さんに、「死にたい」と訴える患者の真意や看護師への期待などを述べていただきます。

 

病気や障害を持つ人の

“生きる選択肢”を広げる社会に

 

川口 有美子

かわぐち ゆみこ

特定非営利活動法人ALS/MND

サポートセンターさくら会 副理事長/

有限会社ケアサポートモモ 代表取締役社長

 

筆者略歴

主な活動として患者会の運営や執筆のほか、国の難治性疾患克服研究と重度障害者の地域生活のための政策立案に携わっている。2013年立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程修了。著書に「逝かない身体:ALS的日常を生きる」(医学書院、2009年。第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞)、「末期を超えて:ALSとすべての難病にかかわる人たちへ」(青土社、2014年)など。

 

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今年8月、神経難病のALSの女性に対する嘱託殺人事件容疑で医師2人が逮捕される事件がありました。それを受け、メディアなどで安楽死・尊厳死の法制化の議論を求める声が上がるなど注目を集めました。こうしたケースは、過去にもたびたび起こっています(表)。

では、安楽死・尊厳死はそれぞれどのような行為で、どのような違いがあるのでしょうか。

 

日本では一般的に、終末期において、当事者本人の意思により、「過剰な延命治療をしないで尊厳を保ったまま死を迎える」のが“尊厳死”で、「苦痛から逃れるために致死的な薬剤を用いて死を迎える」のが“安楽死”と考えられていると思います。しかし、医療従事者、家族、当事者など論じる立場に応じて、尊厳死、安楽死、さらに自殺幇助の捉え方は異なり、自分がどういうポジションに立つかによってそれに対する意識も異なるようです。

 

 

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SPECIAL INTERVIEW 「わざ」の伝達と倫理的感受性 その技は誰にとってすぐれているのか

川名 るりさん(写真右)
神奈川県立保健福祉大学 小児看護学 教授

 

仁宮 真紀さん(写真左)
心身障害児総合医療療育センター看護指導部
研修研究担当看護主任、小児看護専門看護師

 

 

 

シリーズ[看護の知]は、学術論文として言語化されたすぐれた看護の実践知を現場で働く看護職に読んでいただけるよう、読み物として再構成した書籍です。シリーズ第5弾となる『「わざ」を伝える』の著者・川名るりさんと、小児看護専門看護師の仁宮真紀さんに、看護スタッフ間で「わざ」を伝えることと、それに関連する倫理的感受性について語っていただきました。

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