CC2014年9月号掲載【深刻な病状や余命を患者さんとどう話し合うか? 英国の老舗ホスピス・緩和ケアの知恵】の紹介

〈コミュニティケア探訪・No.32〉
【深刻な病状や余命を患者さんとどう話し合うか? 英国の老舗ホスピス・緩和ケアの知恵——デービス・カニングさん】

写真1‌ ‌

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デービス・カニングさん。
セント・ジョゼフ・ホスピス創立者の
絵の前で

写真2 ‌

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セント・ジョゼフ・ホスピスの外観。
外観は地味だが、一歩中に入れば、
温かな空間が広がる

■文と写真・村上 紀美子(医療ジャーナリスト)
本連載を基に『納得の老後 日欧在宅ケア探訪』(岩波新書)を刊行。ドイツ・オランダ・デンマーク・イギリス・日本の柔軟なケアの姿から、5年後、10年後の“納得のケア”を探りました。

 深刻な病状や余命などの厳しい事実(バッドニュース)について本人と話し合うのは難しく、緊張するものです。そうしたコミュニケーションに関して、英国のホスピスや緩和ケアの豊かな知恵を取材しました。医師・看護師・介護職にとって、患者・家族との会話の参考となるでしょう。

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病院・病棟で進めるシミュレーション教育

1410看護阿部先生

阿部 幸恵さん(あべ・ゆきえ)
東京医科大学病院シミュレーションセンター センター長・教授
防衛医科大学校高等看護学院卒業。臨床経験を経て、1997年から9年間は大学・大学院に在籍し、小学校教員免許、児童学博士を取得。2006年から全医療者・医療系学生対象のシミュレーション教育に携わる。2011年琉球大学医学部附属病院地域医療教育開発講座准教授、2012年より同講座教授および、おきなわクリニカルシミュレーションセンター副センター長を務める。2014年より現職

 

 

シミュレーションシナリオ集夏

いま、大きな注目を集める看護シミュレーション教育。書籍『1年で育つ! 新人&先輩ナースのためのシミュレーション・シナリオ集』では、1年で新人や先輩が育つことをイメージし、病院・病棟の春夏秋冬、時期に合わせた課題を各巻5本取り上げます。今回、春編に引き続き『夏編』を刊行した著者の阿部幸恵先生に、シナリオ集の概要や使い方についてうかがいました。

 

 

 

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「看護必要度」評価者のための学習ノート 第2版 次の「症状」でお困りの方にオススメです。

❶研修は受けたけれど、まだよくわからない人

❷今から受ける研修についていけるか心配な人

❸臨床で実際に評価をしてみて戸惑っている人

❹院内研修参加者へのテキストを探している人

 

診療報酬の算定要件である「看護必要度」の本格的施行を控えて、どの担当者も必死に勉強中。そんな中、評価項目のポイントをわかりやすく解説した『学習ノート』の第2版が発行されました。

 

 

SQ看護必要度ノートSBGOLHP用

 

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ナーシング・トゥデイ10月号特集 誌上コンサルテーションシリーズ⑩ 糖尿病ケア インシデント防止への取り組みと連携

 

NT1410表紙10月号の特集テーマは

「糖尿病ケア インシデント防止への取り組みと連携」です。

 

糖尿病領域におけるインシデントは、薬物療法(インスリン注射)、検査(血糖測定)などさまざまな場面で生じます。インシデントを防止するには、医療安全管理室担当者等と連携し、院内教育の充実、院内安全マニュアルの整備等が必要です。また、高齢糖尿病患者が安全な療養生活を送るためには、病院スタッフと訪問看護師の連携・支援が必須です。本特集では、委員会活動やクリニカルパスの活用を通してインシデント防止に取り組む病院の事例や、医療機関と情報共有しながら糖尿病療養者を支える訪問看護の事例を紹介します。「誌上コンサルテーション」では、困難事例4題を掲載します。

 

監修:森小律恵

(日本看護協会 看護研修学校 認定看護師教育課程 糖尿病看護学科/糖尿病看護認定看護師)

 

糖尿病領域における医療安全についての現状と課題

森小律恵

 

安全に効果的にインスリン療法を継続するために

 

「安全」という共通の価値観を次代につなぐ
―基礎教育と臨床現場の相互理解を通して
任 和子(京都大学大学院 医学研究科 人間健康科学系専攻 教授)

 

継続教育における医療安全に対する取り組みと課題
大倉瑞代(京都大学医学部附属病院/糖尿病看護認定看護師)

松村由美(京都大学医学部附属病院 医療安全管理室)

 

インスリン関連インシデントへの取り組み

 ―医療安全管理部との連携
柏本佐智子(NTT西日本大阪病院/糖尿病看護認定看護師)

 

インスリン注射に関するインシデントへの取り組み

 ―糖尿病チームにおける連携
中元美恵(JA広島厚生連広島総合病院/糖尿病看護認定看護師)

 

在宅における糖尿病領域のインシデント対応

 ―訪問看護の立場から在宅糖尿病療養者の支援にひそむリスクを考える
茶谷妙子(公益社団法人京都保健会総合ケアステーションわかば/訪問看護認定看護師)

 

在宅での安全なインスリン治療継続への取り組み ―クリニカルパスを活用したインスリン導入患者へのサポートシステムづくり
髙木あけみ(前橋赤十字病院/糖尿病看護認定看護師)

 

 

困難事例の誌上コンサルテーション

 

1 指示のないインスリン注射を実施するインシデントが生じたケース(病棟看護師からのコンサルテーション)

松尾美穂(東京医科大学八王子医療センター/糖尿病看護認定看護師)

 

2 禁食から食事開始によるインスリン投与法の変更に伴いインシデントが生じたケース (病棟師長からのコンサルテーション)

岩塚晶子(東京労災病院/糖尿病看護認定看護師)

 

3 飲酒によって重症低血糖を繰り返し起こしたケース(病棟看護師からのコンサルテーション)

髙橋弥生(聖隷佐倉市民病院/糖尿病看護認定看護師)

 

4 インスリン自己注射ができなくなり高血糖を来したケース(訪問看護師からのコンサルテーション)

丸山順子(JA新潟厚生連長岡中央綜合病院/糖尿病看護認定看護師)

 

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NT2014年10月号連載【チームづくりのお悩み相談】紹介

NT1410表紙NT2014年10月号の

【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、

 

「メンバーに〝あの人と一緒だと苦労する〟とラベルを貼る人がいて、チームが嫌な雰囲気です」

 

 

 

 

 

 

 

人はラベルを貼りがち

 

「あの人は患者を観察する力がない」「あの人とチームを組むと大変なことになる」などと“ラベル”が貼られてしまうと、当人と働いたことがなくても「仕事ができない人」という枠組みで見てしまいがちです。

誰もが起こしそうな小さなミスにもかかわらず、「やっぱり仕事ができない人なのだ」と、因果関係が明確ではないのに飛躍した考えで評価してしまうことがあるかもしれません。ひいては「あの人と一緒に仕事をしたくない」と、チーム崩壊につながってしまうことさえあります。

 

評価にバラつきがあるのは当然

 

事例 ▶ Aさんが昨日、急変の兆候を見逃したことで、チームのメンバーがてんてこ舞いになり、そのことを影響力の大きなメンバーBさんが「Aさんと一緒のチームだと苦労させられるので、一緒のチームは嫌です」と評価し、訴えました。一方、自分もそのような経験があると認識している人は「それは誰にでもあることじゃない?」と判断しているようです。

そもそも「評価」は、「測定」と異なり、出来事に人の「価値判断」を加えることです。つまり、評価する人の主観が入りますから、当然バラつきが出ます(表1)。

 

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360°から人の強みを眺めるためにラベルを根気強くはがす

 

ラベルを貼るメリットは“中身を確かめなくても判断できる”ことにあります。しかし、もし、そのラベルが間違えて貼られていたら……。

 

例えばもし、フェノバルビタール散(抗てんかん薬)の薬瓶に「乳糖」とラベルが貼ってあったら恐ろしいですね。チームにしても同じです。いったんラベルが貼られると確かめもせずにラベルを信じ、人を傷つけかねません。別の角度から眺めれば活用できる強みだったのに活用できないまま、人材を失うこともあります。

 

貼り付けてしまったラベルは、360°から人の強みを眺めなおすために根気強く“はがす”ことが重要です。

(この続きは本誌で)

 

[著者]永井 則子(有限会社ビジネスブレーン代表取締役)

 

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