NT2013年12月号の連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】のテーマは、
〈すべての日常生活行動を支える形態と機能〉
恒常性維持のための調節機構②液性調節編
「液性調節編」の看護形態機能学視点のヘルスアセスメントでは、従来のフィジカルアセスメントに以下のような視点が加わります。
[執筆]大久保 暢子(聖路加看護大学基礎看護学准教授)
NT12月号のその他の内容はこちらから
NT2013年12月号の連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】のテーマは、
〈すべての日常生活行動を支える形態と機能〉
恒常性維持のための調節機構②液性調節編
「液性調節編」の看護形態機能学視点のヘルスアセスメントでは、従来のフィジカルアセスメントに以下のような視点が加わります。
[執筆]大久保 暢子(聖路加看護大学基礎看護学准教授)
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NT2013年12月号の【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、
「新人看護師の提案や意見を受け止めようとしない先輩看護師がいます」
事例 ▶ 新人看護師に「ナースコールを減らすために何ができるか」を主体的に考えさせる病棟学習会の場で、新人から提案が出るたびに「それはどうかな」「別の見方があるよね」と、否定しないまでも意見を受け止めない先輩看護師が多く、新人の表情は曇りがちで意見も減っていきます。これでは学習会の目的が果たされないと危機感を覚えますが、どうすることもできずにいます。
新人看護師研修におけるチームに限らず、チームの目的には、①効率よく目標を達成する、②活動を通してメンバーが学習する、③個々を育てる職場文化をつくる、の3つがあります。
以下に、今回の事例においてこの3つの目的すべてをクリアすることができるお悩み克服のヒントをいくつか取り上げたいと思います。
マッチャーとミスマッチャー
人の話を聞く時に、無意識に自分の考えとの共通点を見つけながら聞くタイプと、自分の考えと異なる点を見つけながら聞くタイプがあることが知られています。前者を「マッチャー」と呼び、後者を「ミスマッチャー」と呼びます。
例えば「ナースコールを減らすために何ができるかをテーマに、新人に看護について考えてもらおうと思うのですが」という提案に対し、マッチャーは「ナースコールを減らすことは大切ですよね」といった返答で場を盛り上げます。一方、ミスマッチャーは「ナースコールを減らすことも大切ですが、ほかにも大切なことはありますよね」と、なんとなくその場の雰囲気をギクシャクさせます。
事例の先輩看護師はミスマッチャーのようですね。つまり、提案の内容のよしあしに対して「それはどうかな」「別の見方があるよね」と言っているのではなく、この先輩の癖なのです。そこを理解して周囲が「気にしない」と思えたら問題はなくなります。
一方で、メンバーが深く考えずに何かを決めようとしている時には、ミスマッチャーの発言は「そうかな」と立ち止まってもっと考える機会をチームにつくり出します。複雑なテーマについて多角的な意見を求めたい時には、ミスマッチャーは無意識ですが、大いに活躍することも覚えておきましょう。
リフレーミングの重要性
リフレーミング(reframing)とは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事をその枠組みを外して異なる枠組みで再度眺めて見ることを言います。ミスマッチャーはこのリフレーミングを働きかける才能があります。
写真1は、コップにお茶が「半分ある」とも「半分しかない」とも取れます。どちらも間違いのない状況の捉え方ですが、「半分ある」との捉え方をすると「飲める」と行動がスタートしやすくなるのに対し、「半分しかない」と捉えると「飲んでよい?」と行動は弱化します。前進にはポジティブに捉えることが大切です。一方で、「多い・少ない」という思考のフレームから「ある・なし」というフレームに変換して眺めると、どちらも「ある」になります。
ナースたちが退院支援の仕組みをつくり、うまくいっている病院の実践事例を1つ取り上げ、「意思決定支援」と「自律支援」を軸に病棟ナースと在宅ナースがそれぞれの実践を振り返ります。加えて管理者から仕組みづくりの経緯とその内容をうかがいます。
[監修]
宇都宮 宏子 (在宅ケア移行支援研究所 宇都宮宏子オフィス)
[筆 者]
藤井 さとみ(外科病棟看護師)
柴崎 恵子(美祢市訪問看護ステーション 管理者)
大林 由美子(看護副部長)
今月の病院
山口赤十字病院
事例紹介
Bさん(98歳/女性)
Bさんは、大腸がん穿孔で、緊急にライフスタイルを左右するストーマ造設術を受けることになった。穿孔の痛みがあるにもかかわらず、「動けなくなるなら、命がなくなったほうがいい」と冷静に返答されるなど、高齢であっても意思決定ができる方だった。医師はADLの維持に努めることを約束し、手術の同意を得た。家族は長男と足の不自由な嫁の3人であり、70代の嫁は「お義母さんが頼りなのに」と動揺されていた。
術前から冷静に対応される98歳のBさんを見て、希望どおりADLを保ち、医師やMSW、チームメンバーと在宅復帰をめざすという目標を共有し、入院時より退院支援に取りかかることになった。
NT2013年10月号の【チームづくりのお悩み相談】のお悩みは、
「先輩の“教え方が嫌”など、好き嫌いの激しい新人がいます」
私たちは個々に独特の「感じ方の癖」「思考の癖」「行動の癖」を持っています。今回のケースは「学習の嗜好」に関係しているようです。今回はそうした個々の学習の嗜好、学習スタイルを学習者自身が開拓する視点を持つこととチームづくりの関係を考えてみます。
学習嗜好の理解
まずは、学習の好みについて理解を深めます。英国の学習スタイル研究センター(LSRC)によれば、学習スタイルに関する研究は3,800以上の論文と71種類の異なる学習スタイル理論・モデルが提唱されているといいます。それらの概念を3つの構造に整理したものがL.Curryによる学習スタイルのオニオンモデル(図1)です1)。
・教授法の好み
この層の学習スタイルの概念は、指導者の働きかけ方や指導法、周囲や本人の期待などの影響を受けやすく、またその嗜好は変化しやすいとされています。その基本的要因として下記の5つが挙げられています2)。
①環境的:音、光、温度、家具などの好み
②感情的:学習動機、持続性、責任感、秩序などの好み
③社会的:個別学習か、グループ学習かの好み。または指導者のリーダーシップスタイル
④身体的:視覚、聴覚、触覚などの学習の優位感覚。学習の時間帯。学習中の飲食などの好み
⑤心理的:包括的、分析的、衝動的、思考的行動の好み
NT2013年10月号の連載【看護形態機能学視点のヘルスアセスメント】のテーマは、
〈すべての日常生活行動を支える形態と機能〉
恒常性維持のための調節機構①神経性調節編
「神経性調節編」の看護形態機能学視点のヘルスアセスメントでは、従来のフィジカルアセスメントに以下のような視点が加わります。
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